明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。
捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、
その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていること
に加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋
がっていた。 ー裏表紙よりー
東野圭吾再読祭りまだ続きます。
これは再再読となります。
「新参者」などと比べるとかなりハードな内容。「新参者」
がどこかはほわっとした雰囲気の話なのに対してこちらはかな
り厳しめの内容。
演出家として成功をおさめている浅居博美の過去は壮絶な
ものでした。母は夫と娘を捨て家を出、借金が残されます。
父と中学生の博美は夜逃げ同然のように転々とするようにな
ります。父も自殺をし博美は養護施設に預けられそこから女
優を目指し上京します。
博美は自分で自分の道を切り拓いてきた強い女性です。果
たして博美のこの強さはどこからくるものなのか。
一方、加賀恭一郎の孤独死した母の生きてきた道筋も明ら
かになっていきます。加賀と博美の関わりも段々解き明かさ
れていきます。
再再読なので大体の筋は覚えていましたが、やはりまた驚
きもあったし泣けました。
博美は母と再会して一体どんな言葉を投げつけたのだろう
とそこに興味を持ちました。私だったら会いたくないな。い
や、ひと言謝罪の言葉を聞きたいと思うだろうか。この場面
読みたかったな。★★★