祈りの幕が下りる時 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。

捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、

その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていること

に加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋

がっていた。               ー裏表紙よりー

 

 東野圭吾再読祭りまだ続きます。

 これは再再読となります。

 「新参者」などと比べるとかなりハードな内容。「新参者」

がどこかはほわっとした雰囲気の話なのに対してこちらはかな

り厳しめの内容。

 演出家として成功をおさめている浅居博美の過去は壮絶な

ものでした。母は夫と娘を捨て家を出、借金が残されます。

父と中学生の博美は夜逃げ同然のように転々とするようにな

ります。父も自殺をし博美は養護施設に預けられそこから女

優を目指し上京します。

 博美は自分で自分の道を切り拓いてきた強い女性です。果

たして博美のこの強さはどこからくるものなのか。

 一方、加賀恭一郎の孤独死した母の生きてきた道筋も明ら

かになっていきます。加賀と博美の関わりも段々解き明かさ

れていきます。

 再再読なので大体の筋は覚えていましたが、やはりまた驚

きもあったし泣けました。

 博美は母と再会して一体どんな言葉を投げつけたのだろう

とそこに興味を持ちました。私だったら会いたくないな。い

や、ひと言謝罪の言葉を聞きたいと思うだろうか。この場面

読みたかったな。★★★