孤独の俳句 「山頭火と放哉」名句110選 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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 種田山頭火と尾崎放哉。名前は知っていますけどというぐら

いの知識しかありません。

 あと、自由律俳句?季語とか五七五とかに囚われない。

 尾崎放哉で有名な句「咳をしても一人」は個人的にすごく好

きな句です。孤独が過不足なく語られている感じ。自分の心情

にも近い気がして。

 山頭火は父が稼業に失敗して自分も事業に失敗するという人

生です。

 一方の放哉は東大を卒業しているというエリートです。

 2人に共通しているのは酒で身を滅ぼしているということです。

家庭も持つのですが、家庭も上手くいかずというところも共通

項です。

 山頭火は身内に自殺者が相次いだりと気の毒なところもある

のですが、2人とも意志が弱いというのを感じ取りました。

 多分日頃の憂さ、人生のやりきれなさをお酒で紛らわしてい

たのだろうなと思います。

 俳句を作るということも2人にとってはやりきれなさを紛らす

手段だったのかなとも思ってしまいます。誰にも言えない鬱屈、

孤独を訴える手段が俳句だったのかなとも。

 でも敢えてここではそれぞれの比較的明るい句を紹介したい

と思います。

 まず山頭火。

 「分け入っても分け入っても青い山」。

 本書ではロマンチックなセンチメンタルな句として評価されて

います。

 続いて放哉。

 「友の夏帽が新らしい海に行かうか」。

 本書では爽やかさが漂う句とされています。

 孤独でも少しの希望があれば明るい句を作れるのだろうなと

思った次第。★★★