本書は公的年金についてかなり肯定的に書かれている本です。
確かに公的年金は終身年金だし、まあ良いこともあるのですが、
私が考える公的年金の一番の欠点は「わかりにくいこと」です。
現在は年齢によって何歳からもらうことができるのかというのが
マチマチです。
受給の繰り上げも繰り下げも可能です。
だから何歳から貰うのが得かという話題がよく週刊誌などに
載っています。
「第3号被保険者」の問題も本書では肯定されていますが、
やっぱりいわゆるサラリーマンの妻だけが保険料を払わなくて
よいというのも納得できません。
本書に共働きと片働きの場合、夫婦の賃金合わせて40万円と
夫のみの賃金40万円であれば年金給付額は同じとありますが、
20年以上厚生年金に加入していたら加給年金がつきます。
これを考えると夫のみの賃金が40万円の方が給付額は多く
ならないのでしょうか。
大体、パートの主婦でも130万円の壁など作って
それ未満の年収なら「第3号被保険者」でいれるなんて制度が
あるから女性が130万円までに抑えようとか考えてしまうのでは?
これだけ時代的にシングルが増えて、離婚も珍しくなくなった現代に
まだ世帯の年金でいくらなどというモデルケースで語られていることに
疑問を感じます。
年金に不安を持ったり、信頼できないと思っている人が多いのは
「年金制度のわかりにくさ」にあると思います。
もっとシンプルにして夫婦単位で考えることはやめにしてほしいです。
先日、日本年金機構から電話があり保険料を督促されました。
払ったはずなのに。
電話があった翌日にははがきも送られてきました。
こんなムダを平気でする組織もどうかと腹立たしく思っています。★★★