我慢ならない女 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 
 
桂望実さんです。
本の帯によると「女三部作」の第二弾なんだそうです。
岩淵明子は文芸誌で叔母の樺山ひろ江が作家になった
ことを知り、ひろ江を訪ねます。
ひろ江は明子にひどい言葉を投げかけますが、
明子はひろ江の秘書のような立場になります。
ひろ江は気難しい性格で、小説に並々ならない情熱を
注いでいます。
それは業といってもよいものです。
最初は全く日の目を見なかったひろ江の小説が売れ始め、
段々ひろ江の周りの景色も変わっていきます。
明子は結婚もしますが、ずっとひろ江の世話をしています。
結局明子は離婚するのですが、ひろ江は最初から明子の夫を
そういう目で見ていたのだなあと感心しました。
途中までは話がなんとなくダラダラしているような
感じだったのですが、途中からよくなりました。
何十年に亘る物語なので、え、これどこまで進んだの?
ということがちょくちょくありました。
ひろ江は口が悪く、編集者に対しても媚を売ったりもしません。
ほんとに小説だけの人生で、なんの楽しみもないまま。
途中で年下の俳優に恋愛をし、少し道を逸れるのですが、
やっぱり小説の業からは逃れられません。
私が明子ならどこかでひろ江と縁を切ってしまうかもしれません。
それはひろ江がとっても不器用で、明子に対しても感謝の
気持ちなど少しも表さないから。
でも、ひろ江が明子の飼っているうさぎの姫に語りかける
シーンには涙が出ました。
ドトールで読んでいたからやばかった(笑)。
言葉にはしないけど、理解しあえる女同士って羨ましいな★★★