サービスの達人たち: 究極のおもてなし (新潮文庫)/新潮社
¥529
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今回ご紹介するのは
「サービスの達人たち 究極のおもてなし」
野地秩嘉著
新潮文庫です★★★
子どもの頃、初めてマクドナルドに行ったとき、
ハンバーガーにもびっくりしたけど、
接客にもびっくりした。
こんな丁寧なきちんとした接客があるのかと。
時は流れ、マニュアルどおりの接客は当たり前になり、
最近はファーストフードでもコンビニでも
きちんと「ありがとうございました」と言われる。
けど、それが普通になったこともあるけど、
それ以上にやだなと思うことは、
”口先だけ”というのが見え見えなこと。
たまにほんとにただ言ってるだけで、
態度とか顔を見ているとクレームをつけたくなるけど、
彼らも安い時給で大変なんだろうなと思うと、
大した金額の買物をしていない私などは、
クレームをつける資格もないのかなと諦めがつく。
本書にはいろんな人たちが登場する。
ベンツの営業マン、デパ地下の女王、保育園の経営者、
美容部員、ビジネスホテルの支配人、もつ焼き屋の大将、
カフェの経営者。
接客やサービスに正解はないと思う。
ただ、人間は気持ちが入っている接客やサービスを
敏感に感じ取るのだと思う。
それは決してマニュアルではなく、その場、その人に応じた
サービスである。
だから、お客さんをきちんと見ないといけないし、
そのときの状況を見極めないといけない。
お客様の立場に立ってということはよく言われることで、
これは当然だけど、
なんでもかんでもお客の言うことを聞くのも違うのでは
ないかと感じた。
例えばもつ焼き屋の大将は周りに迷惑をかけるお客は
即退場にしているそうだ。
私はこれは正解だと思う。
そういう意味ではリッツカールトンのようになんでも
お客様の言うことを叶えるというのもサービスだけど、
できないこと、困ることはきちんと伝えるのも
ある意味サービスではないのかなと思った。
やっぱり最後は人と人なんだよねと改めて感じた
一冊だった。