その鏡は嘘をつく | チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

その鏡は嘘をつく (講談社文庫)/講談社

¥799
Amazon.co.jp



今回ご紹介するのは
「その鏡は嘘をつく」
薬丸岳著
講談社文庫です★★★



エリート外科医の須賀は痴漢の容疑で逮捕されたが、
証拠不十分で不起訴に。
しかし、その数日後に須賀は自殺をする。
その自殺を他殺でないかと考えた検事の志藤は
独自に調べを進める。
「刑事のまなざし」で登場した刑事の夏目が登場します。
夏目は医学部専門の予備校の生徒の浅川幹夫の失踪に
興味を持ち行方を捜します。
須賀と幹夫の関係性、そしてそこにもうひとり予備校の講師の
峰岸彩子が関係してきます。
須賀が他殺であることは疑いないと思いながら読んでいましたが、
それが痴漢事件や幹夫の行動とどう絡んでいくのか、
彩子は何を考えているのかなどに興味を持ち
読み進みました。
こういういろんな事柄が絡み合うストーリーは
私的には大好物です(笑)。
そして結局須賀は何故殺されたのか、動機は何かというところに
行き着くのですが、
実は昨日の夜半分寝ながらラストを読んでいたので、
動機がわかったときにええ、がっかりと思ったのでした。
こんなことで殺意を持つか?
せっかく面白く読んできたのにこれだと台無しと。
しかし、今朝もう1度読み返したら
ああ、そういうことかと納得できた。
殺されても当然とは思わないまでも、
こういう奴にはなんらかの罰を与えるべきだと思えました。
寝ぼけながらラストのいいところを読んではいけないという
教訓になりました。
薬丸さんの作品はいつも重々しい空気が流れているけれど、
今作はそこまででもないと思った。
「何があっても生きること」が訴えたいテーマかな。