ハピネス/光文社
¥1,620
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今回ご紹介するのは
「ハピネス」
桐野夏生著
光文社刊です★★★
ママ友5人のお話です。
内、4人は江東区のタワーマンション住まい。
1人は駅近のマンション住まい。
タワマン住まいの1人岩見有紗が主人公です。
タワマン住まいの4人の中で有紗だけが
ちょっと格下のイースト。しかも賃貸。
ボスのいぶママは元CAでいつもオシャレです。
有紗は娘の花奈がおとなしいこともあり、
どこか他のママにコンプレックスがあります。
桐野さんなのでもっとドロドロっとした女の世界が
描かれているのかと想像していましたが、
さほどえげつない感じはしませんでした。
有紗ももっとこうどちらかというと母性もない
女性なのかと思っていましたが、
全然そんなこともなくまともでした。
と、言っても不倫あり、有紗の過去にも秘密がありと
段々そのあたりが暴かれていく様子にハラハラしました。
なんか桐野さんの話の展開ってほんと上手くて
すーっと話に入れるしのめり込めます。
イメージとしては桐野作品の主人公の女性というのは
激しくてひと癖もふた癖もあるという感じなのですが、
今作の有紗はそのイメージとは全く異なるキャラクターでした。
しかし、有紗と夫の俊平の関係はいいけど
そんなに割り切れるものかと不思議でした。
私が男であっても女であっても両方許せないなーという気が
したのでした。
寛容さがないのかな~?