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迷子の王様: 君たちに明日はない5/新潮社

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今回ご紹介するのは
「迷子の王様」
垣根涼介著
新潮社刊です★★★




「君たちに明日はない5」シリーズ完結編です。
4編ですが「トーキョー・イーストサイド」と
表題作「迷子の王様」がよかったと思います。
「トーキョー・イーストサイド」。
下町に育った早稲田法学部出の美容部員。
もちろん私とは全く違った優秀な主人公・まりえなんですが、
心情はとってもよくわかる気がしました。
「経済的格差」はよく言われることですが、
「文化的格差」というのはなるほどなと。
まりえの実家は町工場。
まりえは子どもの頃から積極的で優秀。
地元の公立の進学校を卒業し早稲田に入学します。
学歴を見ればエリートです。
しかし、まりえは大学に入学しどこか違和感を覚えます。
早稲田に来るぐらいだからみんな優秀。
けど「育った環境」はまた別物。
小説の中で「知的背景」という言葉で語られています。
乱暴に私が勝手に解説すると、
同じお金持ちでも「由緒ある金持ち」か「成金」かと
いう違いでしょうか。
まりえは下町で生まれ育ちその中で生きてきました。
「知的背景」とは無縁の世界。
私の周りもそうだったのですが、
中学から私立に入る発想なんてまるでないのです。
特に私の母などはとにかく学費が安いところに行ってくれーと
それだけでしたから知的背景なんてあったものではない(笑)。
なんかこの話読んでいたら切なくなってきました。
特にまりえは勉強も一生懸命して真面目に生きてきたのに
この「知的背景」で自分の価値観が覆されてしまったので。
これ以上は書きませんがこの話は私にとっても
衝撃的だったしなんかひとつの謎が解けたような。
「迷子の王様」は家電メーカーのエンジニアのお話です。
ものづくりについて考えさせられるテーマでした。
私、やっぱり昭和の古い人間だからか、
どんなに物販の世界が発達しようと
やっぱり製造業が一番だという価値観が捨てられません。
モノを作る人はスゴイという考えが抜けません。
例えば、学者やコンサルタントや銀行員や営業マンより
モノを作っている人の方が素晴らしい
(あくまでこれは私の勝手な考えです)と思っています。
だから日本の製造業がんばってほしいと思いながら
読みました。
そして主人公の父が言った言葉よかったです。
「こんなものがあったらいいな。そんなものを作る。
そして人に喜ばれる。それが本当に報われるってことだろう」。



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   いつもありがとうございます♪


☆☆☆
 見事な負けっぷりでした。
 勝利の方程式で負けたのだから仕方ないという人もいますが、
 毎回、毎回勝利の方程式で勝ちが転がり込むなら、
 監督はいらないってことになるよね。
 その日のピッチャーの調子、試合展開など見据えて
 戦略を考えるべき!
 昨日はメッセを完投させてもよかった。
 それで負けても納得がいく。
 そういう試合。