任侠病院 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のそれでも本を読むのだ

チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

任侠病院/今野 敏

¥1,680
Amazon.co.jp




今回ご紹介するのは
「任侠病院」
今野敏著
実業之日本社刊です★★★




地域住民と共存しているやくざの阿岐本組は
6人の小所帯。
ひょんなことから経営難の病院の再生を
引き受けることになった組長の阿岐本。
組のナンバー2の日村も巻き込まれ‥。




昨今いろいろ問題になっている「暴力団」ですが、
阿岐本組は普通に想像する「暴力団」とは
少し毛色が違います。
「やくざ」なんです
(と、言っても「暴力団」と「やくざ」が
どう違うのかよく分かりませんが‥)。
とにかく組長の阿岐本は地域住民との協調というか、
共存共栄を目指しています。
堅気の人に迷惑をかけてはいけないという
男気のある人物です。
本書は組のナンバー2の日村が語り手。
以前にも阿岐本は「出版社」と「学校」の再生に
成功したことがあり、
今回の「病院」の再生にも大乗り気です。
しかし、これによって大金が転がり込むとか
そういうおいしい話でもありません。
日村は組の財政状況も憂慮し、
組長が病院再生などという面倒事は
背負い込まないでくれとやきもきしますが、
阿岐本はとにかくやる気です。
組長の言いつけは絶対で、日村は病院の理事、
阿岐本は監事に就任します。
本書は企業の再生ドラマでもあり、人情物のようでもありで
とっても面白く読みました。
職業では人の品性は語れないなあとも思いましたし、
結局最後は人と人との繋がり、
信頼なんだと改めて感じました。
組長・阿岐本の度量の大きさもよかった。
今野さんの作品にしてはハードなシーンもなく、
読んでる間中、クスクス笑いが絶えませんでした。
ラストはちょっとあっさり終わってしまった感もありますが、
読後感もとってもよい作品でした。



にほんブログ村 <br />本ブログ 読書日記へ


にほんブログ村
  クリックお願いします。
   いつもありがとうございます♪