署長刑事 大阪中央署人情捜査録 (講談社文庫)/姉小路 祐
¥780
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今回ご紹介するのは
「署長刑事」
姉小路祐著
講談社文庫です☆☆☆
本書の副題は「大阪中央署人情捜査録」と
あるように大阪が舞台の作品。
大阪が嫌いな人は読まない方がよいかも?
オール阪神や池乃めだか、ロザンの菅ちゃんなんて
関西以外の人知ってるのかなあ?
(この3人の共通項は何でしょう?)。
さて、本書は警察官僚の古今堂航平が、
大阪府警の中央署長に赴任したことから
話は始まります。
航平の就任4日目に、署内の巡査がひき逃げ事故を
起こし、自殺を図るという事件が起こります。
なんとなくこの事故に胡散臭いものを感じた航平は、
自ら調査に当たることにするのですが‥。
航平は29歳のバリバリのキャリア官僚。
部下たちは腫れ物に触るように航平に接し、
航平には1年間つつがなく過ごしてもらえれば
という考えです。
航平はそんな考えにどこか矛盾したものを
感じます。
そういう意味では、航平は一般的に言われている
キャリア官僚ではありません。
本書は警察組織の不可解さに問題点を投げかけて
いるようにも思います。
警察が何のために存在するのか?
航平は自分に問いかけます。
そして現場で奮闘する刑事や警察官に対しても、
航平は尊敬の念を覚えています。
なかなかこんなことを思うキャリア官僚って
いないでしょうね。
事件も面白かったですが、今の警察の組織に
対する批判も私は面白かった。
警察というより、官僚制度というべきかな。
そもそも学歴や出身大学がものを言う
官僚制度っていうのが今の時代にマッチしているのか?
それが国民不在の権力闘争になっているのではないか?
軽いタッチの作品でしたが、
結構いろんなことを考えさせられるお話でした。
大阪の長所と欠点も面白く読めました。
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☆☆☆
作った石けん!