グ、ア、ム | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

グ、ア、ム/本谷 有希子

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今回ご紹介するのは
「グ、ア、ム」
本谷有希子著
新潮社刊です☆☆☆



なんとなく不思議な物語でした。
話は平凡なんですが、どことなくつかみどころがなく、
でも言いたいことはよくわかるし、
好きな作品です。

北陸の平凡な4人家族。
父と母と長女と次女。
長女は、大学に入学するため東京に。
アナウンサーの養成学校に行ったりもしますが、
やりたいことが見つからず、
今はスパ施設で垢すりのバイト。

次女は、高校を卒業すると信用金庫に就職のため
大阪へ。
長女のいい加減さが気に入らず、自分は親に
経済的な援助を求めず、堅実に生きていこうと
しています。

今回のお話は母、長女、次女がグアム旅行に
行くというお話です。

長女と次女はなんとなくよそよそしい雰囲気。
普通に考えるような仲良し姉妹ではありません。

長女は自分が生まれた年回りが悪く、ワーキングプアに
なってしまったと考えています。

そのどこにもぶつけようのないイライラ感が
次女との間に壁を作ってもいます。

母親は長女と次女がもめないよう、
どちらに対しても気を遣いながらオロオロ。

次女は今回のグアム旅行の旅費を長女が出して
いないことも気に入りません。

長女は自分のことを父親が「ワーキングプア」
と呼ぶのも気になります。

私はこの家族はとってもいい家族なんだなと
思いながら読みました。

なにより、親はちゃんと子離れしてるし、
ふたりの娘もなんだかんだといいながら、
父親が計画した今回の旅行にちゃんと参加しているし。

家族はこれくらいの結びつきがちょうどいいのでは
ないかなあと感じました。

いつもべったりではなく、ときどき思い出したり、
旅行に行ったりするくらいの緩い結びつき。

お互いを思い遣る気持ちや心配が重荷にならないような
家族。

それぞれ欠点や気に入らないことはいっぱいあるけど、
心の奥底で結びあっている家族がとても羨ましく
思えました。



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