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今回ご紹介するのは
「鷺と雪」
北村薫著
文藝春秋刊です☆☆
ベッキーさんシリーズの第3弾。
昨年の直木賞受賞作です。
3編の短編集。
私が1番好きだったのは「不在の父」です。
このお話は、子爵が失踪してルンペンになった
というストーリー。
すみません、今回はネタバレ必至なので、
知りたくないよーという方はここで
読むのをお止め下さい。
この子爵様、結局妻と価値観が違っていたことに
気づき、すべてを捨てて、ルンペンになったという。
でも、決して妻のことが嫌いではない、
むしろ大好きだと言っています。
ただ、住む世界が違うことに気づいたということです。
男女の場合、価値観は違っても好きになることが
あると思います。
それに気づいたとき、見て見ぬ振りをして
やり過ごすのか、それともこの子爵様のように、
住む世界が違うと去ってしまうのか。
これは、結構微妙だなあと思ってしまいました。
私自身は価値観が違う人を好きにはなれないの
ですが、世の中には案外価値観は違っても
仲良くやっている人たちはいるかも知れません。
それが男女の仲の不思議なところなのでしょう。
この子爵様の志しの高さというか曇りのない
心にちょっと泣ける思いでした。
今回のこの「鷺と雪」でベッキーさんシリーズは
終了だと思う(?)のですが、
それにしてはちょっと物足りなさを感じて
しまいました。
もっとベッキーさんの正体を暴いて欲しかった
というのもありますし、
話が散漫になってしまった感じがしました。
いつもご覧いただきありがとうございます(^^)
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