Keyword-37「今日は、ノーギャラで御出演という事で」 | 世界の中心で人間以外が叫ぶ

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お笑い芸人などの一発ギャグや決まり文句について考察しています。

今日は、ノーギャラで御出演という事で
[きょうは、のーぎゃらでごしゅつえんということで]


<スキット>
司会:「Aさんが、トーク番組に出られているのを見た事がないのですが
今まで、こういう番組に出演された事はありますか?」
A:「初めてです」
司会:「こんな三流番組に出ていただいて、ありがとうございます」
A:「いえいえ」
司会:「今日は、ノーギャラで御出演という事で
B:「失礼すぎるだろ!」



上記スキットは、深夜番組などで予算がないという体で
こういった類の番組に、到底出演するとは思えないシチュエーションで
大御所俳優等がまさかの登場、それを逆手にとって笑いに繋げたやり取りです。
番組制作費における芸能人のギャラ割合は、高い事で知られ
下手をすると演者だけで、番組がひっ迫するという事は無きにしも非ずです。
「大御所俳優」に対し、「三流番組」と卑下する事で
分かりやすい比較対象効果を使い、笑いを取りに行きます。

「ノーギャラで御出演」というフレーズが飛び出す、最も多いパターンは
笑いを取ろうとしてスベったとか、気の利いたコメントが残せなかったなどの
いわゆる失敗に対して、「御」という一見
尊敬の意をあらわしていると思われる丁寧語を交えつつも
間接的に、「ギャラを払うに値しない」とバッサリ切るシーンです。
併行して「カットさせていただきます」も使われ、本当にカットされてしまった場合は
放映されない、つまりなかった事にされるという憂き目にあいます。

若手芸人など、カツカツの生活を送っている芸能人にとっては死活問題であり
逆ギレ的に「既に、ノーギャラ同然だわ!」と噛みつき
司会に対して「あんたは、ガッポリもらっているんだろ!」と
逆襲を仕掛けるパターンも考えられます。

チャリティーなどでのノーギャラであれば、美談として成立するのですが
金に対する執着心が強いキャラであれば、そのキャラが生かされて
笑いがより生まれやすい環境となる訳です。