『人狼天使』読了。
いやもう、めっちゃ面白かったです❗️😁
恥ずかしながら、三部の内容はほとんど失念しておりまして、展開が全く読めないドキドキ感を味わうことができました。
一番ショックだったのは、ジュディとガヴィの変節でした。
この時点で、『幻魔大戦』的な要素がかなり色濃くなってたんですね。
告白すると、個人的に『ウルフガイ 』を全くフィクションとして捉えてないところがあって、こんなに憑霊って簡単に起こるものなのかしら…と、そこは違和感を感じてたんですが、この時点でのニューヨークは魔界の侵攻が激しく、三次元との境界が曖昧になってる…と仮定したら、諸々納得できるようになりました。
角川文庫以降は『魔界天使』にタイトルが変更になってるんですね。
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マイク・ブローニングとデヴィット・ファーマーを伴っての、スパイラル・ビル脱出行。
極寒の屋上から逃れられたと思えば、火災やら、巨大ネズミの大群やら、悪霊の波動にやられて頭のおかしくなってしまった警官たちやらで、危機に継ぐ危機😂
特にエレベーター孔にダイブするシーンはスリル満点でした。
「拳銃気違い」になってしまっている警官隊を避けて、非常用ハッチから1つ上のフロアに脱出し、最後に抜け出したアニキは危うく輪切りにされかけるという、ちょっと夢に出てきそうなスリル感😂
ダニー・ルートの助力を得て、なんとか救急隊に引き渡すことができたマイクですが、不意に目覚めて、語った言葉は感動的でした。
“アトランティス 計画が始まる”
“また多くの友が集まってくる”
これを語ったのはマイク本人の意識ではなくて、おそらくアトランティス 時代を生きたマイクのガイド的存在だと思われますが、この言葉こそが『人狼天使』篇のテーマだと思えます。
魔界にええようにやられてるように思えても、ちゃんと全ては天界の計画の一端なんですよという。あと一厘のところで「ぐれんっ!」っていうあれですね。
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ダニー・ルートのアパートに誘われて、一時の休息を味わうシーンはしみじみ良いですね。
語り合う言葉が、すっかり心を許し合った暖かい漢たち同士のもので。
この辺り、物語の本筋には関係なくても、愛すべきキャラクターたちがすごく含蓄のある言葉を交わし合う感じ、すっかり『幻魔大戦』のトーンですよね。
意味がありそうなのが、ダニーの監視によって明らかになった、スパイラル・ビルに出入りする「ラマ僧を思わせる五人組」の存在。
そして、マイクの危機を報らせるアニキの“聖痕”。
「胸騒ぎ」を看過することのなく、再びブリザード吹き荒ぶ街に出てゆく、漢たちの責任感!!
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着替えを取りに戻ったガヴィのアパートでは、何やら妖しげな会合が行われていて、あの居心地が良かった温かな空間が既に喪われてしまっていることが、雰囲気で察せられます。
悪魔払いの実地訓練…。
個人的には、特に心霊関係の生兵法は大怪我の元だと分かってますので、自分でやってみようなんて思ったこともないんですが、一度現場に居合わせてしまうと、その強烈すぎる現象に魅了されてしまうのかも。
こっくりさんなどの怖い噂はよく聞きますし、70年代はエクソシストのブームなどもあったりで、実際に興味本位で行って痛い経験をする人も多かったのかも知れません。
ここでは、危ういところをアニキに救われる形になったジュディとガヴィですが、それが一層、劣等感と対抗意識を育てることになったのかも知れません。
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アニキが足止めを食っている間に、なんとマイクが運ばれた病院が爆破テロに遭うという事態に…。“胸騒ぎ”はもはや現実的なアラートだった。
ここで、直接そのシーンは描かれないものの、ファーマーが爆破を予知して、マイクの説得で多くの人々が避難できた事実が、ダニーの口から語られます。二人ともどんどん覚醒している感。
そして、転院先の病院にも、再び爆弾魔の姿が。
マイクを拐い、逃げ去る爆弾魔は、スパイラル・ビル屋上で遭遇した化け物と同じ、不気味な魔族の顔をしており。
満月期の狼男と対等に闘える戦闘力と身体能力。
しかも首を折る重傷を物ともせずに動き回る異常さ。
狼男のような不死性というよりは、魔術によって無理矢理賦活化されてるような不気味さを感じます。
この爆弾魔、食肉加工場に現れた「ミスタ・ムーア」とおそらく同一人物で、スパイラル・ビルの魔人とは、サイズ的な相違点はあるものの、同じ根を持つ怪人であることは間違いない。
マイクの言葉によると、「彼には大きなエネルギーが集中している」ということですから、おそらく魔族の三次元的なエナジーの集中点、選ばれたエージェントなんでしょう。
この化物が十人がかりでこられたら、さすがのアニキも対応は難しいでしょうからね😁
続きまっす