『人狼天使 第二部 摩天楼』 | 平井部

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『人狼天使 第二部 摩天楼』

 

 

『人狼白書』の後半以降、アニキの戦いは「宇宙規模の巨大なエネルギーの戦い」の一環であると言う認識が、アニキの中でも固まりつつあるようです。

 

郷子さまが語った“預言”を確認しておくと、「ニューヨークに因縁の御魂が続々と集まり、とても大きな出来事が起こり、それは地球全体の運命に変動をもたらすかもしれない」と…

 

 

 

 

 

 

 

 

留置所から解放されたアニキが向かったのは、私立探偵であるデヴィッド・ファーマーの事務所。

 

ファーマーに当たりをつけたのは郷子さまであり、おそらくはダニー・ルートとの関わりや、スパイラルビルが悪魔信仰の拠点であることなどは全く把握せずに、直感で決められてることなんでしょう。

 

 

たっぷりとお金がかけられた事務所で対面したデヴィッド・ファーマーは、仕事を依頼する探偵としては不適合でしたが、魂の因縁的には浅からぬ繋がりがあった。

 

おそらく『イン・ソドム』篇において、一緒にアスラー神殿に侵入したエサウは彼なんですね。

 

 

この時点での捜査対象は、UTT という超大型の多国籍企業を率いる、グリーンマンという人物。『幻魔』世界のクエーサーを想わせますが、繋がりはあるんでしょうか。

 

 

(めちゃくちゃ余談ではありますが、謎に人気がある歌手さんの名称に「グリーン」が隠されてたりしますよね。何故に人気があるのか、本当に理解できない歌手さんっていらしたりします。)

 

 

 

ファーマーの事務所を去る際、すれ違った人物も気になります。

 

さほど印象的ではなく、小柄でスリム。“瞳孔が感じられない”風変わりな目を隠すように、濃い緑色のサングラスをする…。

ファーマーから「インキー」と呼ばれていたことも、覚えておきたいと思います。

 

 

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ジュディ・ギャザラとのニューヨークでの再会。

 

若い頃の自分は、どうやったら気のおけない友人と出会うことができるんだろうって、ずっと悩んでたものですが、「アニキのように生きれば良いんだよ」って、教えてやりたいです。

 

ちょっとコツは必要なんですけれど、今回ずっとウルフガイ を再読していて、それが分かった気がします。

ただにっこり笑って、「自分の中の」警戒心をほぐしてあげたら良い😊 アニキに親しみを覚えてる自分を、信頼してあげたら良い。

 

 

ジュディに誘われた内輪のパーティーで、成り行きで「悪魔祓い」を披露して、若者たちの信奉を集めることになるアニキ。

 

この「悪魔祓い」のシーンは生々しい迫力があって、もしかしたら平井和正が実見した出来事を元にしているのかも知れません。

 

 

そういえば、東丈もニューヨークで“チャーリーズ・エンジェルズ”みたいな美女に家に招かれるシーンがありましたね。そうだ、イタリア料理店にも行ってたし。ちょっとシンクロを感じて、『幻魔』世界と密かにリンクしてたりするのかも。

 

 

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仕事のパートナーとはなり得なかった超能力探偵、デヴィッド・ファーマーから紹介されたのが、占い師の“ステラ”

 

おそらく『ボヘミアン・ガラス・ストリート』に登場した“黒衣の貴婦人”ステラさんと繋がりはあると思えます。

 

 

若いジュディとガブリエルの二人を一瞬にして魅了してしまうほどの美貌とカリスマ性を持つステラですが、この時点では「どちら側」にルーツを持つ存在なのか判然としません。

 

 

「双つの拮抗するエネルギーが、争いではなく調和するための鍵をアニキが握っている。長き戦いは終わりを告げ、和解と調和の時が到来した。」

 

「和解を妨害する者たちこそ本当の敵。それは宇宙の邪悪なエネルギーであり、大精霊の真の敵。このままいけば地球は蹂躙され、宇宙の均衡が崩れて、地球をはじめこの太陽系全体が宇宙から消滅する」

 

 

…と言うのが、彼女がもたらした神託の要旨です。

 

つまり、地球上で数万年に渡って争ってきた魔族は真の敵ではなく、「和解と調和」を目指さなければならないと…。

 

地下の暗黒世界で出逢った宿敵の魔族の皆さん、いずれも闘う気満々だったんで、かなりの難事業と思われますが、それをアニキにせよと…。

 

 

もうこの時点で、単純に「悪の組織を倒して大団円!」的なストーリーは辿るべくもないと、はっきり判りますね。

 

 

言い方を変えると、(幻魔を想わせる)宇宙の根源悪の脅威が間近に迫り、それに対抗するには地球における光と闇の双方の陣営が和解し、一致団結し、共闘しなければならないと。

 

 

普通に考えて、数年頑張ったくらいでは到底成し遂げられなさそうな、“真の救世主”が担うレベルの地球史的な課題であり、この辺りに、アダルト犬神明が僕たちの前から長らく姿を隠してしまった要因が、秘められているのかも知れません。

 

 

 

続きまっす