西国三十三所巡礼シリーズ。善峯寺です。
桜めちゃ綺麗でした
記事は9年前のものですが、リアルタイムでもほぼ同じくらいの開花状況のようです
詳しい情報は公式ツイッターを。
今日は西国二十番札所、京都盆地の西の端にあります、善峯寺に見仏に行ってまいりました。
巡礼のルート的に言うと、十五番から京都に入って、市内をいくつか回って、出て行く最後のお寺になります。この辺りは大原野と言いまして、嵐山からちょっと下った(南下した)、田園風景のまだまだ残る閑静な場所です。少し道を逸れると、昔ながらの風情を残す細かい路地に迷い込んでしまいます。
今春は、記録的なくらいの気候の不安定さ……。一時の陽気がウソみたいに、先週は冷えた上に雨風ともに強く、さすがに山の上の善峯でも、桜は散ってしもたやろなあって思っておりました。
今日はひさしぶりにオカン連れで(^_^)。
お天気は、夜にくずれる前のなんとか薄曇り、という感じでした。
桂川を渡って西山に対峙すると、一気に気持ちは見仏モードに(^_^)。田んぼの中の道を抜け、すれ違うのに苦労する山道を登り。所々ピンクに染まった山影に、立派な堂宇が立ち並ぶ様子が望めると、ちょっとした感動がありましたですね。
薄暗い山道をかなり登って、到着〜。
時間はそんなにかかってないのに、かなり遠くまで来たような異界感です。
大きさも雰囲気もぼく好みのええ感じの山門を潜って境内へ。
葉桜ではありますが、まだまだ奇麗なしだれ桜などを眺めながら石畳を歩くと、突き当たりはもいきなりご本尊がいらっしゃる観音堂! いつもは自分をじらすだけじらしてからご対面するんですが(^_^)、今日はオカン連れということもあり、いきなりクライマックスへ。
観音堂
階段を登ってお堂の内部をのぞくと、いらっしゃいます、結縁御開帳中(※2010年当時)のご本尊、十一面千手観音さま! 青白い光に照らされた、静かな佇まい……。
まずは外から拝んで、御朱印をいただいてから、靴を脱いで昇殿させていただきます。
観音さま、奇麗~。
この観音さま、まず静謐さを感じますね。
ほぼ(人間比)等身大で、オーソドックスな千手観音さまのお姿。雲のうねりのような光背も奇麗です。
お厨子の左右に、風神雷神はじめ、二十八部衆が居並ぶ形。そういえば、東山の清水寺も、サイズはもっと大きいものの、同じ形式でご本尊と脇侍さんたちが祀られておりました。何か関係があるのかも知れませんね。
ご本尊の左右にもお厨子があって、向かって右には、かつてのご本尊だという、お脇立ちの十一面千手さまがいらして、何の気なしに左のお厨子を見てみますと……
すっごい可愛い聖観音さまっ!!
もう一発でファンです(^_^)。1m弱の小さな方で、思いっきり前傾姿勢になっているのが、いまにもふわっと飛び立ちそうな雰囲気で可愛いです。瞑目したお顔が、すごい静かで端正で。どことなく、ご本尊さまにも似てらっしゃいますね。同じ系統の仏師によるものなのかも。
善峯のプリティ聖観音さま。
のぼるイチオシかも(^_^)。
存分に堪能してから、お堂を出て、寺宝館である文殊堂へ。
を、こちらでも文殊さま! まだしっかり金が残る室町産まれの文殊さまが、持国天、増長天をはべらせて、一番奥に鎮座されてました。最近文殊さまにお逢いする機会が多いのは「ボケ封じ」ってことでしょうか(^_^;;。この文殊さまは、獅子に乗った形でなく、蓮弁にお座りになられています。どことなく、東寺観智院の五大虚空蔵菩薩さんにお顔が似てらっしゃいました。
その両脇、ガラスケースの中におわす聖観音さま二体も、こちらはプリミィティ仏さまで、味があってすごく良い感じ。直立で、ネイティブのトーテムポールを想わせるような雰囲気でした。
この文殊堂も、春期秋期など、公開時期が限られておりますので、拝観ご希望の方はあらかじめお寺のスケジュールをご確認下さいませ。時期によって展示物も変わるようです。
寺宝館を出た辺りから、すっごく奇麗な青空が覗いてきました。
天女さまとか龍さんみたいな形をした雲が、天空にさ~っと伸びていて、なんだか天上界を見上げているよう(^_^)。
つりがね堂から、色鮮やかやかな五大明王さまがいらっしゃる護摩堂を抜けて、桂昌院お手植えのしだれ桜をバックにする経堂、多宝塔へ。
このしだれ桜さん、「そうだ京都行こう」のCMに出てらしたんで、ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、満開時の華々しさが偲ばれる麗しさでした。見頃から十日ほど遅かった感じですが、咲き切った後の寂しさ、みたいな雰囲気が漂ってすごく良かったです。
松ですな
開山堂の辺りから、西に開ける京都市内の風景をしばし堪能。
……しとりますと、「いや、よしかず、見て! すごいわ!」のオカンの声が(^_^)。
続きまっす