13813 葛城参詣3 伏見山菩提寺 | 平井部

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 高鴨神社から、高天彦神社方面へ引き返し、標識に従って、かなり細い急な坂道を上って。この辺りはもう金剛山の中腹で、ふと振り返ると葛城の田園風景がよく見渡せました。


$ときめき神仏巡礼記




 100mほど離れた駐車場に車を停めて、伏見山菩提寺に。
 思っていた以上に小さなお寺さんでしたが、仁王門のほんわりした金剛力士さんに和まされました(^_^)。



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 石仏の辺りを清掃なさっていた女性に会釈をしてから、境内から眺められる景色をしばし眺めて。こちらのお寺は桜も奇麗みたいですね。


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 そして、小さな本堂にお参り。
 扉は閉まってましたが、お厨子は開いておりましたので、ガラス越しにお姿が拝見できるようになっております。

 ご本尊は、平安時代の十一面観音さま立像。1mほどの、小さなお姿が可憐です。

 熱心に眺めたり拝んだりしておりましたが、先ほどの女性が寄ってこられて、しばらく会話を交わした後に、「よかったら開けましょうか?」とのお言葉がっ。じぇじぇっ!! まじですかっ?!





 カギを解けていただいて、喜び勇んで堂内に。

 はあ……、十一面観音さま。
 黒ずんだお姿に、悲しみをたたえた麗しいお顔……。

 懇切丁寧に説明もしていただき、この観音さまは、つい先年、修復が終ったばかりとのこと。それまでは、右手も朽ちかけて、虫穴だらけで、かなり切ないお姿だったらしいです。


 向かって左側にいらっしゃるお不動さまも、つやつやのお姿でしたが、同じく修復済みらしく。

 
 他にも、愛染明王さま、阿弥陀さま、お地蔵さまなどの仏像がいらっしったのですが、この辺りにはもともと、修験道の道場が三十余房もあり、それらがなくなるごとに、こちらに集まってきたのだとか。



 すっかり堪能して、御礼を言って外に出るぼくに、「法起菩薩ってご存知ですか?」とその女性が。「やぁ、知りません」と答えますと、簡単に説明して下さった後、「よかったら、そちらもご案内します」……って、じぇじぇじぇじぇっっっ!!!








 すぐ横の別棟に移動して、その広間に入った瞬間から、「ぶわ」って鳥肌が立ちました。


 端正な顔立ちに五眼を光らせたそのお方は、ガラスケースの中からぼくを見つめてらっしゃいました。

 法起菩薩さま、仏頭。

 元々は、金剛山山上の転法輪寺のご本尊でいらしたのが、廃仏毀釈で壊されることになり、なんとか仏頭だけこちらに避難させたのだとか。もともとは4m以上あったそうで、仏頭だけでも1mほどはあります。


 法起菩薩とは、蔵王権現と同じく、役の小角が修行中に感得した仏さまで、この金剛山の辺りでしか祀られていない方のようです。


 逆立つ髪の毛に、鋭い牙と、恐ろしげな顔立ちですが、怒りよりもぼくは悲しみの方を強く感じました。


 奇麗……。
 本当に奇麗です。元のお姿はさぞかし凄かったろうと。
 廃仏毀釈とか、ほんまにやめていただきたいですよね(怒)。


 2年ほど前に、転法輪寺には新しい法起菩薩さまが遷座されましたようで、そのお方にもぜひお逢いしたいですね。金剛山登山は、約2時間ほどらしく。


 広間の中央には、ほぼ等身大の役の小角がいらっしゃいました。
 ちょっとお若い感じの小角さんでした。




 貴重すぎる寺宝を見せて下さった女性に存分に御礼を述べてから、お寺を後に。
 この日は鴨社にお参りするだけの心づもりであったんですが、思いがけず小角さん関係のすっごい秘跡も目にすることができて、感慨深々でした。御所市すごいっす。




続きまっす