続きでっす。
二月堂の舞台にのぼるのは、夕刻の方が奇麗かなと思い、先に大仏殿にお参りすることに。三月堂横手の八幡さまにお参りしてから、先ほどの石段をまた下ってゆき。
大仏殿、やっぱり雄大ですねえ。
快晴ながらも、真冬なみの寒さ。広い境内を歩いていますと、誰もいない秋の海辺みたいな切なさを感じました。


薄暗い堂内に入って、盧舎那仏さまのお顔を一目見た瞬間、切なさやら悲しさやら嬉しさやら、いろいろな感情が胸に湧きだしてきました。

今日はただのぶらり見仏のつもりだったのに、此処に来るとやっぱり、彼のことを想わずにはおれません。
別れも告げずに逝ってしまった、数少ないぼくの親友であるゴンちゃん。彼が京都に来てくれた時に、一緒にお参りしたのがこの盧舎那仏さまなのです。
いろいろな角度からぼ~っと眺めたり、お祈りしたりしておりますと、やっぱり寂しさが募り、ここ最近感じていた孤独とか、辛さとかいったものも塊になって襲ってきて……
……って、いやいや、自己憐憫はいけません(^_^)。それは追悼やなくってただの自己憐憫やし。全部自分が選んだ道! やることは、分かってますでしょう?
盧舎那仏さまは、ただ安らかに微笑みを浮かべてらっしゃいるだけで。


ちょうど西から陽光が射してきて、仏さまの右側が、ほんわり紅く染まって奇麗でした。

虚空蔵菩薩さま

広目天さま

多聞天さま

如意輪観音さま

拝観時間ぎりぎりの5時前まで、1時間以上も堂内で過ごしてしまいました(^_^)。
再び坂を上って、二月堂へいきましたら、あら、なにやら妙に人が集まってます。今日はどうも、修二会(お松明)の日でしたようで。
とりあえず二月堂の舞台に上って、お参りして写真を撮っておりましたら、5時すぎの時点で「観光の皆さんは下りて下さい!」の指令が出てしまいました(^_^)。もうちょっと待ってましたら、陽光がオレンジになって奇麗でしたのに~。

二月堂舞台より。
お松明、観ようかどうか迷ったんですが、1時間以上あることと、今日は春もののコートでまったく防寒対策してませんでしたので、諦めることに致しました。

これで1時間前。この舞台上を松明が走ります。
思索にふけりつつ、帰路を歩いておりますと、海外から来たとおぼしき女性に道を訊かれ、ちょっと英語で説明する自信がなかったので、「じゃしばらく一緒に行きますか」ってことで同行(^_^)。
香港から一人で来られたそうで、「寒い……」ってつぶやきつつ、ソフトクリームを美味しそうに食べてるぼくを眉をしかめて見てはりました(笑)。
「京都に住んでる」言いましたら、なにやら伊勢丹のラーメン食べたかったみたいで、一緒にどうですか? って誘われたんですけれども、やあ京都いうても奈良よりですし……って、それはお断りしてしまいました。ご案内してあげてもよかったかなあって、ちょっと後悔してます。
その方とは、三条通りの商店街に入ったところで、駅の方向を教えてあげて、手を振り合ってお別れ。
ちょっと楽しい経験でしたですね。
そんなこんなの、ほんわりしつつも切ない春の一日。
ぼくも人生頑張っていかなあかんなあって思いました。