釈尊生誕日 蟹満寺 | 平井部

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 今日4月8日はお釈迦様のお誕生日でしたね。本当は、大好きな清涼寺のお釈迦様にお逢いしたかったのですけれど、最近かなりお疲れ気味で、とても嵯峨野までは行けそうにありませんでしたので(^_^;;、近郊にいらっしゃる国宝の(!)お釈迦様にお逢いしてまいりました。


 午前中は、膝に水がたまって痛い……という父を病院に連れていって、昼食ににゅうめんを作ってから出発。目指すは蟹伝説で有名な蟹満寺です。

 国道を左折して旧街道の方へ。川を渡って、小さな神社と並ぶようにして在るのが蟹満寺です。
 駐車場に車を停めると、雨のせいもあってか、周囲にほんわりとしたご神気がぴりぴりと漂っています。


ときめき見仏記-1

ときめき見仏記-2

ときめき見仏記-3



 しばらく川べりの桜を眺めてから、お寺正面に。

 こちらは、去年の四月に新しい本堂の落慶が行われたばかりで、真新しい白木のお堂になっておりました。以前は、本堂の前に、小さな観音堂があったのですが、今はなくなっています。


ときめき見仏記



 受付を済ませて、横手から堂内へ。花祭り(灌仏会)の用意なども参拝客もなく、静かなものでしたが、この辺りは5月にすることが多いので、こちらもそうなのかも。

 お釈迦様です……。
 丈六の、金銅仏のお釈迦様。
 白鳳時代のお産まれとかで、もう1300年もこの地に鎮座されているのです。

 白毫も螺髪もない、シンプルなお顔。正面はきりっと凛々しく、(向かって)右手に回るとすごく柔和で、左手は目の横に傷があるからか、ちょっとお怒りの表情に見えます。胴がきゅっと締まっているのが、めちゃ飛鳥仏っぽくてキュートです。ぼくは右下から眺めるお顔がスキかも。

 明日香の飛鳥大仏さまは、お身体に破損の跡が多くって、苦難の歴史を見てこられたのがよく分かりますが、このお釈迦さまは本当にお奇麗で、1300年もの間、都から少し離れたこの地で、静かに静かに衆生を見守っておられたご様子。

 なんせお堂は貸し切りですので、思うさま眺められました(笑)。
 以前は小さなお堂の中にジャストフィットに入ってらっしゃる感じで、そのまま膝上に上がって甘えたいくらいで、実際お膝には、人が撫でたとおぼしきつやつやがはっきり残っております(^_^)。今はすこし高所の段上にいらっしゃいますが、それでもかなり近い所から拝むことができます。

 最後に、正面に座して、ゆっくりお祈りしておりましたら、暖かさとか穏やかな癒し、みたいなものはなくって、むしろ「辛いのはこれからが本番。腹帯締め直して挑みなさい」みたいな厳しい気持ちが、お腹の底から湧いてきました。


 お釈迦さまの向かって右手に、聖観音さまを中心に、お不動さまとお地蔵さま、左手には阿弥陀さまと空海さんがいらっしゃいました。蟹伝説の観音さまは、おそらくこの聖観音さまであると思います。



 お寺を出て、隣の綺原(かんばら)神社にもお参り。

ときめき見仏記



 この辺りは、かつて「紙織(かびはた)神織(かむはた)」といったようで、神に捧げる布を織る一族、秦氏が治めていた地域なのだそうです。この蟹満寺も、奈良時代の行基さん以前から聖地として信仰を集めていたようで、その名残はなんとなくありますね。


 続きまっす。