すいません、いきなり音楽ネタで。
Coccoさんが好きです。大好きです。
自分を自分で縛る言い訳、虚飾、甘い慰め、そんな物をはぎ取って、核にある一番大切な事を再認識させてくれる、それがCoccoさんの音楽です。お不動さまの纏う紅蓮の炎のように激しく、観音さまの慈愛のみ光のように優しく。
待ちに待った新曲 “ニライカナイ” 。すごいです。
琉球太鼓がフィーチャーされていると聞いていたので、もっと沖縄音楽っぽいものを想像していたら、ぜんぜん違いました。いろいろな矛盾を認識しつつ、それでも“沖縄人”として唄おうとしているCoccoさんそのものを表す曲調。
久しぶりにタッグを組まれた、根岸さんのアレンジも感涙ものです。これこれ、このサウンド! うねるギターに、Coccoさんのヴォーカルが突き抜けて。
今宵のミュージックステーションのパフォーマンスもすごかったです。カジュアルな服装の時は、あまりの細さに痛々しさも漂っていましたが、黒衣に着替えて唄い始めると、その噴出する“気”の力強さに圧倒されました。それは、地の巫女が天空に捧げる祈りそのものでした。
基地を初めとする、沖縄と本土が抱える諸問題。
“ジュゴンの見える丘”は、確かに示された一つの回答だったと思うんです。
悲しみはいらない
やさしい歌だけでいい
あなたに降り注ぐ全てが
正しいやさしいであれ
そう祈ること以外、ぼくたちに何がなし得るでしょうか。
沖縄が被り続けてきた痛みが一気に噴出する今、産み出されたこの曲“ニライカナイ”には、まさに沖縄の怒り、悲しみ、愛が凝縮されています。
なにもできないですけれども、しっかり眼を背けずに受け止めて、ぼくはぼくの歌と祈りを、紡いで行こうと思います。