4.パチンコ企業就職編(1) | ライターじゃない、アイドルだ

4.パチンコ企業就職編(1)

【目次リンク】

1.はじめてのパチンコ編(1989年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12396112976.html

2.上京パチンコ編(1989年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12396833601.html

3.パチンコ攻略編(1991年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12397911333.html

4.パチンコ企業就職編(1994年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12400413287.html

5.パチンコ店長編(2000年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12403314011.html

6.パチンコ起業編(2006年~)

https://ameblo.jp/tencyou7777/entry-12405941148.html

 

 

 

就職を希望したそのお店は数年前に一度寄ったことがある。

 

パチスロは全台アラジン(ニイガタ電子)だった。

 

集中に入るととてつもなくメダルを吐き出すという初代アラジン。

 

どうやったら入るのかも分からないし、そんな恐ろしいパチスロだけの雰囲気に震えあがって店を後にした記憶がある。

 

そんな恐怖を感じたお店に、他のお店にはない威厳のようなものを感じたのか。

 

 

1994年5月 私は23歳となり、電話帳で神奈川県某市のパチンコ店の電話番号を調べて面接にありついた。

 

馴れないスーツを着た私は、店長室へ通され店長と初対面。

 

恰幅が良く、とてつもなく貫録のある人だ。

 

何を話したかは覚えていない。

 

ただ最後に部屋を出る際に「おまえベルト上下が逆やぞ」と指摘されて恥ずかしく思ったのと、

 

大雑把な印象であったのに、実は細かな所を見ているお人だと驚いたことが印象に残っている。

 

 

実際の現場仕事ではG店長代理が仕切りをしていた。なんと歳は私と同じ。若きエースだ。

 

その部下として主任、副主任がいて、我々一般社員がいる。

 

数週間勤務してみて、過去勤務したパチンコ店との違いを感じる。

 

朝礼の形式からしてしっかりしていて厳格である。従業員がやる気に満ち溢れてる。特に元気なのが新卒社員。

 

大学を卒業して私より1ヵ月早く新卒として入社したらしい。

 

バカだと思った。

 

わざわざ大学を出てまで来る所なのか?このパチンコ店は。俺は電話帳めくってやって来たんだ。

 

新卒連中は何かにつけ、その仕事私がやります!他に仕事はありませんか!と異常なまでのやる気をみせる。

 

就業時間が終わっても自発的に何らかの仕事をしている。

 

仕事っていうのは定時になったら終わって帰るもんなんだよ!

 

私はそんな彼らを白い目で見ながら定時で職場を後にし、近頃仲良くなった一部従業員とバンドの練習をして遊んだ。

 

楽器初心者だったがベースを担当した。ボーカルがおらず何故か私が兼任した。音痴なのに。

 

よって、それはもう酷いミスチルのクロスロードが奏でられていた。

 

 

この頃の新台入替というものは年に一度、もしくは二度。

 

パチンコ店にとっては一大イベントであり、遊技客にとっても期待に心踊らせるものだった。

 

いわゆる出玉イベントは存在しない。

 

勤務した店では月に一度、第三者主催名義で開催される商品抽選会がある程度だ。

 

ゆえに新台入替に対する熱意は相当なもので、新台入替作業は異常な緊張感のある世界だった。

 

新台入替作業当日。営業時間を短縮して閉店し、作業開始前に従業員が集合して全体中礼を行う。

 

私達は機敏な動作で軍隊のごとく横一列の隊列を作る。

 

そこに表れたG店長代理から雷のような一言が発せられる。

 

「お前達は目が死んでいる!そんな目じゃ今日の新台入替は失敗する!」

 

え?意味が分からない。一瞬耳を疑った。

 

だがどうにか理解しようと努めた。

 

とりあえず目のことだから相手を睨みつけるようにすれば良いのではないかと思い、私は眉間と上まぶたに力を込めた。

 

こうか?こうやって睨みつければいいのか!?

 

大事なのはやる気。やる気が全て。それは声の大きさ、動作の早さで判断されるようだ。

 

周囲のペースを乱さぬように、見よう見まねで各種入替作業に取り掛かった。

 

 

その他、趣味としてのパチンコ遊技はそれなりに楽しかった。

 

一度当選すれば複数回の当りが約束される3回権利物ミルキーバー(ニューギン)

 

そして衝撃だったのがギンギラパラダイス(三洋)だ。

 

ゲーム姓はさることながら、マリンちゃんというキャラクターを見て度肝を抜かれた。

 

なんて可愛いキャラなんだ。ここまで可愛い女の子は見たことがない!

 

そんな平和に時代に変化の波がやって来ていた。

 

パチンコはCR機というものになるらしい。設定付きで大当り確率が平均1/400くらいになるらしい。

 

なんだって?セブン機は1/240くらいではないのか。3回権利物でさえ1/300という荒くて困る大当り確率なのに。

 

1/400の世界などは簡単に確率が収束せずに、とんでもない博打台になってしまう。

 

ああ、終わってしまった。

 

これで私の大好きなパチンコはこれで終わってしまった・・・。

 

夜の星空を仰ぎならがら私は呟いた。