6月最終週の午前7時45分、駅まで向かう母親の車に同乗。
それから5分後、赤信号で停車すると、
運転席から母親が
「ちょっとちょっと、あれ見てよ」
と声を上げて外を指さす。
「えっ何?何かいるの?」
それから1秒後、助手席から指先の方向に目をやると、
口に菓子パンをくわえたギャル が
ものすごいスピードで 自転車をこいでいる 。
「うわっすごい!あんなのカツオでもやらないよ~」
「何が何でも朝ごはん命!って感じね~」
「パンくわえて走ってる人初めて見た…」
それから5秒後、信号が青に変わって車が前進する。
サイドミラーに映ったギャルの姿がだんだん小さくなる。
「そういえば最近『命!』って叫ぶお笑いの人たち見ないわね」
「あ~ゴルゴとレッドのコンビ、名前何だっけ?」
「私はわかんないわ~」
「コンビ名思い出そうとすると
ガレッジセールのゴリの顔しか出てこないよ」
それから3分後、車は左折して駅の降車エリアにすべり込む。
「ほ~ら、もう駅着いちゃった。
思い出せなくて気持ち悪いだろ~」
「ううううう…」
それから10秒後、車を降りて自動改札を通過して
ホームへ向かうエスカレーターに乗っても、
ゴルゴとレッドのコンビ名が思い出せない。
それから1分後、電車を待っている間も
ゴリの顔だけがぐるぐると頭を回る。
「あ~~~もう気持ち悪いっ!
このまま会社まで耐えられんっ!!」
それから0.1秒後、著者は別途通信料がかかることを承知で
ケータイのフルブラウザを立ち上げ、
Googleで「ゴルゴ レッド」と検索をかける。
出てきた結果は…T I M
「あああそうだ!!TIMだ!!!スッキリした~~」
それから12時間後、母親と著者が会話を交わす。
「んでさっきのコンビ名思い出せた?」
「思い出せなくて気持ち悪かったから
ネットで調べたよ」
「ええっ、あんなもんわざわざ調べたの?
アンタ、バカだね~~~」
はい、バカですみません。でも私はアンタの子だよ。




