13代目、柳ハープ24弦完成! | アイリッシュ・ハープ研究家、奏者、制作者、音楽教育者 寺本圭佑

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ご依頼のあった柳ハープ24弦が無事に完成しました!

古いアイリッシュハープは柳で作られていたといわれています。しかしなぜか柳の木材は入手しづらく、国内で一般に柳と言って流通している木材は「ドロノキ」Populus suaveolens ヤナギ科ハコヤナギ属で、あまりよい材ではないとされています。

また一般にポプラと言われている木材は、ヤナギ科ハコヤナギ属のポプラではなく、モクレン科ユリノキ属のユリノキ Liriodendron tulipifera で、なんでそうなっているのかわからないのですが、かなり複雑です。

今回色々と探した結果、アメリカからヤナギ科ヤナギ属の Curly Willow を入手できました。この木は学名を Salix matsudana という中国原産の木で、日本人の植物学者松田定久(1857-1921)の名前がつけられています。

ネック、支柱、裏板にはホワイトオークを用いてます。これも伝統的なアイリッシュハープに用いられていた素材。

共鳴胴の幅を240mmと大きめにとったため、中低音が特に豊かな響きとなりました。

削ってみた感じは、ユリノキととっても似ていて、ユリノキをアイリッシュ・ハープの材に用いるのは間違っていないと思います。柔らかくて扱いやすいです。

ネック等に用いたオークはウィスキーの樽にも使われているので、削っていていい香りがして心地よいのです。ただ、いかんせん硬くて重い素材。すこしでも軽量化を図るために、肥後守とノミで余分な部分をそぎ落としました。

最高音域に鉄弦を使う予定でしたが、長さが足りず、十分なテンションが得られなかったため、結局全部真鍮弦を張りました。

19弦のキルコイとの比較画像を載せています。キルコイとほぼ同じ共鳴胴の大きさで弦の数を24弦張れたのは、弦間を狭くしたのと、共鳴胴に対する弦の角度が、キルコイは40度なのに対し柳は45度になっているためです。

この後、同じ柳で13弦ハープを制作する予定です。

音域:F3-A6 (A4=440Hz)
弦間:10mm
総重量:1980g
共鳴胴:Curly Willow(高さ485mm,幅240mm,厚さ45mm)
支柱、ネック、裏板:ホワイトオーク

サンプル音源