14世紀ころに演奏されていたアイリッシュ・ハープの実例が現存しています。
この29弦のハープは、18世紀後半にアイルランドのリムリックで発見され、現在ダブリンのトリニティ・カレッジに保存されています。
曲がった支柱、金属弦、ネックと支柱の継ぎ目が正面から見た際にT字型になっているのがアイリッシュ・ハープの特徴です。
共鳴胴は1本の木をくりぬいて作られており、背面は木の板で閉じられています。金属弦で共鳴胴を破損しないために、弦を通す穴には蹄鉄型の金属が打ちつけられています。
また伝統的なアイリッシュ・ハープには「姉妹」と呼ばれるユニゾンで調弦される弦が存在しました。
トリニティ・カレッジのハープと同様の構造をもった楽器が、スコットランドでも演奏されていました。
クイーン・メアリ・ハープとラモント・ハープがそれです。
これらの資料は、アイルランドとスコットランドのハープの親近性を示すものです。
16世紀のヘンリー8世の時代には、アイリッシュ・ハープが硬貨のデザインに用いられ、すでにアイルランドの象徴になっていました。