映画「ヒューマン・ハンター(2018)」 | 助六ノ映画鑑賞残日録

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「ヒューマン・ハンター」 2018年 カナダ 原題:The Humanity Bureau 94分 SF (監督)ロブ・キング (出演)ニコラス・ケイジ、サラ・リンド、ヒュー・デロン

 

 

あらすじ)

遠くない未来、経済破綻と気候変動で食糧難や民族大移動が引き起こされたアメリカの社会は崩壊していた。

 

内戦も勃発し、国境に壁を築いたアメリカは、政府の全権限を“人民省”に委ね、国家の負担となる人間を査定していた。

 

そして生産性がなく効率的でない人間は、“ニューエデン”に強制送還されることが決まっていた。

 

“人民省”の調査員で昇格を目の前にしていたノア・クロスは、荒れた土地で暮らす母子の調査を行う。

 

査定の結果、母子の強制送還が決まるが、“ニューエデン”の恐ろしい実態を知ったクロスは母子を逃がすことにする。

 

“人民省”から執拗な追跡を受ける三人は、カナダを目指して大陸を北上するのだが・・・。

 

 

感想)

社会が崩壊したディストピアの世界は、最近の近未来SF映画では良く描かれる。

 

人種よりも生産性のない人間を排除する図は、昨今のマイノリティ問題に気を使っているからか。

 

こういう資本主義国家の成れの果てが、独裁体制をも厭わない社会主義国家の台頭に繋がる。

 

昨今、米国の若者の中でも社会主義思想が蔓延しつつある。富の分配、金持ち排他主義も分からないことはないが、成功した国はない。

 

劇中では、洗脳で完全に思想制御をするまでには至らない為に、主人公のように現体制に疑問を持つ人間も少なからず存在する。

 

“ニューエデン”という国家機密の最重要事項を抱える割には、権力側の統制力が徹底されていないので設定に説得力がない。

 

何より、冒頭の運転場面から、陳腐なCG合成で最後までB級感が拭いきれなかったのが残念だった。

 

しかし、ニコラス・ケイジって、あんなに銃器の構え方が下手だったかな!?

 

個人的満足度/★★★★★★★☆☆☆