映画「アリータ:バトル・エンジェル(2019)」BD | 助六ノ映画鑑賞残日録

助六ノ映画鑑賞残日録

映画、ドラマ、アニメ、読書の感想を書き綴っています

「アリータ:バトル・エンジェル」 2019年 アメリカ 原題:Alita Battle Angel 122分 SF/アクション 原作)木城ゆきと (監督)ロバート・ロドリゲス (出演)ローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、ジェニファー・コネリー

 

 

あらすじ)

地球と火星が資源を奪い合った戦争「没落戦争/ザ・フォール」から300年の月日が経った。

 

医者のイドは、唯一の楽園である“空中都市ザレム”から排出されるゴミの山から女性型サイボーグの半身を見つける。

 

記憶を無くしたサイボーグに、病気で死んだ娘の為に作っていた精巧なボディを与えて“アリータ”と名付けた。

 

そのイドは活気溢れる“くず鉄町”で格安でサイボーグの修理を請け負っていたが、夜な夜な怪しげに外出をしていた。

 

おりしも町では連続殺事件で何人もの女性が殺されており、アリータはイドが犯人と疑い尾行を始めるのだが・・・。

 

 

感想)

日本の漫画がハリウッドで名プロデューサーとメジャー監督の起用で映画化になるのは嬉しい。

 

製作への経緯が、ブルーレイの特典インタビューに収録されているが、原作漫画へのリスペクトが伺える(以下)。

 

~ジェームズ・キャメロンがギレルモ・デル・トロから原作漫画を紹介され、5年の歳月をかけて脚本を完成させた。

 

だが、映画「アバター」がライフワークと化したキャメロンは監督を断念し、友人のR・ロドリゲスに脚本を託した~

 

キャメロンの意思を継いだロドリゲスは、原作漫画でも印象的な場面を劇中でも多く登場させ、斬新なカットで再構築している。

 

しかし、撮影技術の格段の進歩と、制作側の意図で主人公がフルCGとなったのは個人的には残念だ。

 

反面、主人公を演じたローサ・サラザールの豊かな感情表現をパフォーマンスキャプチャーが見事に再現している。

 

実写部分とCGI部を違和感なく同一に収めた場面は、リアルで迫力があり美しくて見飽きない。

 

失われた記憶が徐々に戻り、戦闘格闘技“機甲術/パンツァークンスト”で相手を叩きのめす場面から物語は盛り上がる。

 

戦士であるアリータが倫理観で囚われずに、敵にを躊躇なく倒していくのが煩わしくなくて良い。

 

ただ、自己主張が強く信念を曲げない娘を持つと敬遠してしまうかもと、少し思ったり。

 

キャメロンの気合の入った企画の為に、自分の撮影手法を封印したロドリゲスだったが、彼独特の殺伐とした演出が皆無で少し残念だった。

 

興行的には成功したとはいえない本作だが、ファンの間では続編の製作を求めているようだ。助六も望む。

 

個人的満足度/★★★★★★★★★☆