考える道具を考える -40ページ目

考える道具を考える

The instrument which I think

※私が尊敬する禅師 玄侑宗久さんと五木寛之さんの対談「息の発見」が文庫版になって再登場した。

※紹介文はこうだ。
‥‥呼吸はそもそも人間の生命活動の基本。「息絶えた」という表現は人が死んだことをいう。息の発見とは、すなわち生命の発見でもある。二人の作家が息つく間もなく語り合う生と死をめぐる人生論。
息の世界に気づく……旅のはじめに

※坐禅は呼吸法。
 静かに息を吸い、10数えるように息をはく。
 この繰り返しの中で、初心者は、「魔境」を発見することがある。

 この境地を体験すると、
 呼吸することによって、人間の異次元での不思議を自分の中で体験できる、そうだ。(有田×宗久対談集の中で‥)

※しかし、私は、そんな体験まで達していない。
 ましてや、魔境を突破して、
 文字通り「空」の感覚まで到達したこともない。

※しかし、しかし、坐禅の中で呼吸を続けていると、
 睡魔と無感覚と静寂感が身体の中に浸透する感覚は味わえる。

※おなかが痛くなったら、静かに深呼吸すると直る(場合もある)。
 風邪をひきそうになったら、深呼吸していくと発熱を抑える(場合もある)。

※私の体験ではそうだった。
 だから、疲労困憊の状況では、30分、じっと坐禅を組んでみる。
 身体から疲労感が抜け出ていくような感覚になり、楽になる。

※これら全ては、呼吸‥まさに「息」の発見なのです。
 知の対談集‥文庫で読めるようになって、結構なことでした。



※「聞き上手」の法則(澤村直樹著 NHK出版生活人新書 2010年1月刊)を読んだ。臨床心理カウンセラーの著者が、人間関係を良くする15のコツをご披露している一冊だ。

※ポイントは「言葉の意味よりも『気持ち』に耳を傾ける」ことだということ。発する言葉には、意味と感情が同時に込められているのがバーバルなコミュニケーションの特徴ですが、意味を解釈しようとするよりも、感情に込められた「気持ちを聞く」ことが大切ということですね。

※コンサルタント野口吉昭さんも「コンサルタントの聞く技術」に関する一冊がある。これは、澤村氏の著書のトーンより、さらに積極的に「ヒアリング」することの重要性を説いている内容だった。相手の問題意識に踏み込むための「聞く技術」。相手が自分でも言葉にできない問題点を「聴く」ことで、見える化しようとするもので、この場合は、人間関係を良くするという目的とは別の時限だと解釈できる。

※カウンセラリング、コーチング、コンサルティング‥これらの職業にとって「傾聴」技術は欠かせないものだが、それぞれの「傾聴」の目的は随分違う。

※そして、「聞くスキル」は、私も仲間達と個人的な研究会を作って検討を続けている重要なテーマの一つでもある。2005年からこの研究会をはじめて、もう5年も「ああだ、こうだ」を続けている。

※この研究会に参加している人達は、皆一様に情熱的で前向きだ。しかし皮肉なことに、皆一様に、相手の話を「聞く」姿勢がない。「聞く」ということについて「話す」ことに夢中になって、相手の気持ちに寄り添って相手の感情を聞くことがない。

※相手の話が聞けないから「聞く」ことを学ぼうとするのか? 自分の心が揺らいでいるからカウンセラーになろうとするのか? 不思議な現象でもありますね。

※そう言えば、私が心理カウンセラーの講座に参加したとき、一緒に参加した人の半分は、「うつ病」の体験者だった。自分が「うつ」にならなければ、他人をカウンセリングしようという気に繋がらないのかもしれない。

さぁ、今日は、誰の話を「聞く」ことにしようか?


※地上デジタル放送の完全移行まで、
 残り500日を切った。

※地デジに移行するには受信機(テレビ)を買い換えるか、受信用アダプターを設置しなければならないわけですね。この受信機普及率が最終的には100%に到達しないという統計予測もあり、総務省が問題視しているというニュースが流れました。

※この100%というのは、どこからどこまでの範囲のことを言っているのか? 今や一家に複数台、一人一台テレビを持っている家庭も少なくないわけでしょうし、これらのテレビを全部一時期に買い換えろというのもなかなか大変ではあります。

※映画三丁目の夕日の世界ではありませんが、テレビが家にやってくるという町内での大変革の時代と違って、デジタル化されることが大変革であるという認識はあまりありませんね。パソコンネットの普及や携帯モバイルの普及で、映像情報がテレビだけという時代は既になく、その点が昭和30年代とは違うのでしょう。

※但し、地デジに移行しないと、テレビが見られなくなるという事実も、また一方ではあるので、これは見方によれば大変な国家事業をやっているんだという意識も必要なのかもしれません。

※普及率100%とか、空港の需要予測とか‥国が実施する事業に数字はつきものですが、国の事業の正当性と予算確保のために「予測数字を作る」というのは、誰がみてもいただけないですね。国民の圧倒的な支持がないと国の施策はできないのはわかりますが、だからといって嘘はいけませんね。

※だから地デジ移行も100%達成を目指すなどと言う必要はなく、タイムスケジュールに従って粛々と進めればいいのではないかとも思うのですね。テレビを買うか買わないかは個人の自由なのですから。

※地方分権という言葉が一人歩きしているのだろうか?
 それとも日本全国、地域の自立に一斉に目覚めたのだろうか?

※百貨店のイベントでも、北海道フェア、沖縄フェアと、
 地域特産品フェアが花盛りの様相だ。多少高くても本物を‥‥。

※銀座六丁目。めざマルシェという施設ができた。
 全国の産品が一堂に会して、さながら全国特産品の常設展示ルームとなっている。

※フジテレビの、めざましテレビとタイアップして、
 テレビの朝の番組で紹介し、めざマルシェで売る。
 毎日、全国から「見学」にやってくる人々でにぎわっている。
 見にはくるが売れ行きが凄いかどうかは分らない。 

※私が関与している「ふるさとマルシェ」の逸品も、
 東北北海道エリアの3階フロアーに商品を展示販売している。


※観光立国という言葉も急速に地域に浸透している。
 国土交通省の中に観光庁ができて、
 地域の観光による再生事業が活発化している。

※日本の地方には、それぞれ独自の文化、生活がある。
 これまでの日本のように、
 地方は大都市に追随して、ミニ銀座、ミニ六本木を目ざす
 という馬鹿げた志向性は薄れた。

※そして、大都市を目ざした街づくりへの期待を捨て、
 ないものねだりばかりしていた自分達の反省から、
 それぞれの地方にある「あるものさがし」に眼を向けた。
 この志向性は正しいと思う。

※地域に住んでいて、特にそれが凄いものであるとは思わない地域産品や工芸品など、これが実は、地方文化に溶け込んだ素晴らしい「モノ、コト」であると指摘された。大いなる発見が地方再生の武器になると認識した、ということなのでしょう。

※こうして再発見した地方の良さを、今度は「観光」という名目で集客しようという動きが、今の地方分権ムードの中で活発化しているのでしょうね。

※でも、かつてのテーマパーク乱立の時代と同じように、観光乱立の時代という意味で全国画一化する動きにならなければいいのですが‥。

※地方の本当のよさは、人が少なくて静かな落ち着きの在る街だということも忘れてはならないことでしょう。そこに住んでいる人にとって、観光ブームで一時的に人々がやってくることが本当に幸福なのかどうかも、きちんと考えたいわけですね。

※ヨーロッパの観光立国の国々。フランスや北欧や‥。これらの国に観光に行くと、地方の町々にはそのままの地域の生活があり、地域の生活の空気の中を歩くことで、異国を体験する素晴らしさがあります。観光だからといって、特段の生活の変化を施すのではなく、そりままの生活を体験してもらうことに重点がおかれているからこそ、それぞれの国のよさを体験できるのでしょう。

※地方の観光ブームが、一時的なものに終わらないようにするには、地方はそのままの地方でいることが肝心だと、そんなことを思っているのです‥‥。

今日も1日、頑張りましょう!


※上手な説得の方法がある、と聞いた。
 それは「理由情報」を上手に使う方法だという。

※遅刻をして部屋に入った時、
 どんな理由を言うのか‥‥で、
 その人の器が決まってしまうとも聞いた。

※人は「何故?」という情報に興味津々。
 
※ところで、
 日本世間学会という組織がある。
 阿部謹也さんが指摘した、
 日本の「謎」である。
 
※つまり、
 わが国には世間は存在しても
 「社会」は存在しない。
 という指摘。

※考えなければならないことは、わが国の「社会」の解明にとって、世間の解明が前提であるということである。世間はわが国では「隠された構造」としてあるが、しかし、それは依然として「謎」のままになっている。(同学会の設立趣旨)

※遅刻の理由は、
 社会的な視点での理由は存在しない。
 納得性の高い理由は、世間の中に存在する。

 家族に病人が出て‥
 親が、子供が‥働く女性の場合、
 夫が病気でという理由は余り聞かないが‥

※世間と自分いう距離感で、
 長い間、社会との関係性を築いてきた日本人は、
 世間というマジックを、未だ上手に使っている。

※でも、これは案外、上手な生き方なのかもしれない。