不精床 人間の関係性のアヤを落語で笑う | 考える道具を考える

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世の中、サービス業でのおもてなし競争は激化していますね。
コンシェルジェとか、コンシェルジュとか。

モノが売れなくなった超成熟社会の我が日本では、
お客様一人ひとりのニーズに、
きめ細かく対応しなければ、お客様が逃げてしまう。

モノを提供するのではなく、
感動を体験していただく‥‥。

と、まぁ、そんな、おもてなし競争が続く。


立川志らく師匠がよくやる落語に、
「不精床」がある。

コンシェルジェの掛け声大繁盛の時代に、
こんな理不尽な床屋さんの話を聞いていると、
文句なく笑える。

今の時代だからこそ、笑える。

「不精床」とは、
つまり、とてつもなく不精な床屋の話。


世の中の常識が通用しない床屋とお客の対話が、
速射砲のように飛び出してくる。

  ‥床屋に入ろうとする主人公。
   「すいません! ちよっとお願いしたいんですがね‥」

   「何だ!てめえ!何の用だ!」

こんな話の入口から始まり、
言葉のアヤと洒落が連続する。

お客様を出迎えるのに「何の用だ!」はないでしょうにね。
例えばホテルのフロントに行って、
予約しているものですが‥‥と言ったとたん、
「何の用だ!」と凄まれたら、びっくりですね。

こんなありえない世界を、
笑いにまとめてしまうのが、
志らく師匠の凄いところといえますか?


とはいえ、世の中の常識を逆転したらどうなるのか、
その意外性を堪能できるともいえますね。

そして、志らく師匠の真髄であるスピード感が、
この作品をギリギリのところで笑いに留めている、
ともいえますか‥。怒りと笑いの間合いの妙ですか‥。


ということで、まぁ、不条理なことに出会ったら、
まずは笑ってしまうことですね。


あんまり噺に落ちがなかったのですが、
今日も元気で!