地域から発信する「ふるさとマルシェ」というECサイトを運営している私は、最近ようやく、プロとアマの違いを実感することが多くなってきました。(いまさらですか?)
例えば、このサイトでは、地域に隠れた逸品ばかりを扱っています。逸品の評価はまちまちですが、私達が求めている本物だけを選りすぐり、生産する人の想いや信念に共感したものだけを取り扱っているのですね。モノが誕生するまでの物語がそこにはあり、その物語の中に本物だけがもつ創造性と驚きがあるわけです。
しかしもっと大切なことは、サイトでこれらの商品を紹介し、販売する時の、その表現力、伝える力にも、やはりプロの手を借りないと伝えられないということなんですね。どんなにモノが優れていても、そのことが伝わらなければ、モノは生きていかない。
例えば林檎。
日本人に最も愛されてきた林檎の生産にも、一つひとつの育成には努力の時間の積み重ねが必要です。生産者の心が生み出す林檎を、どのように伝えるか‥一枚の写真でどのように伝えるか‥一つの言葉でどのように伝えるか‥そこにはプロが手がけるものとアマとの差が歴然とあるわけです。
プロとアマの差とは、何か?
それは、アマは写真やデザインやコピー表現が、自分の内部に向かっているのに対して、プロは、それを購入し、食事の場面にセットし、おいしく頂く、家族や友人達と一緒に「食べる」ことの幸福感、すなわち他人に向かって作品が創られるという違いなのではないかと思うのですね。
一言でいえば、他人志向と自分志向の差異こそ、プロとアマの決定的な違いなのではないかと思うのです。
カメラのハード的な技術はデジタル化の波の中で高度に発達し、アマチュアカメラマンでもかなりの作品を撮影することができるようになりました。しかし、一瞬のシャッターを切るその指先の向かっている先がどこかというと、自分の満足度と他人の満足度という二つの大きな差異があり、それが作品の出来栄えの決定的な差異となって現れてしまうということです。
このプロとアマの差は、スポーツでも、音楽でも、芝居でも、絵画でも、農業でも、ビジネスでも人間の営為の動機という視点で見ると決定的なものなのだということが、ようやく分ってきたのでした。共通しているのは、どんな仕事をしていようと、その世界のプロでなければならないということでしょう。サラリーマンでも公務員でもベンチャー起業家でもいい。プロであるということは仕事を通じて他人を楽しませること、他人に満足していただくことに志向性があるということなのだと実感しています。
どう思いますか?