米在住の映画評論家で現代アメリカを語る第一人者である町山智浩氏が、海外ドキュメンタリー映画を厳選し、特に日本で未公開の映像を紹介する番組「未公開映画を観るTV」は、実に興味深い映像体験をもたらしてくれる。オセロの松嶋尚美さんが素人の一般人眼線で質問する、そのはずし方も面白い。
昨夜のテーマは、
‥‥Maxed Out(後編)「貸しまくる人々~カード地獄USA~」
実に恐ろしいアメリカの借金地獄の現状が報告されている。
この番組は、2006年に公開されたもので、借金の対象はカード、それも普通のクレジットカードの深刻さをドキュメンタリーで追究したもの。サブプライムローンと同じ構造で、支払能力のない個人に対して次々とカードを発行し、返済が滞った人に対する容赦ない督促の現状が浮き彫りにされていた。
この時期は、サブプライムの衝撃の前段階の現象ではあったものの、そこに登場してくる実在の人物の家族の嘆き悲しみ(カード地獄に陥った人の多くが自殺している)は見るに耐えないものだった。
アメリカの巨大消費によって、一部に巨万の富を得た人がいるかと思えば、アメリカ市民の大半は一般の人で、この消費の罠に掛かって命を落としていってしまう。
その後の住宅ローン地獄は、さらに深刻であり、この衝撃が現在の世界各国に波及しているのは皆さん知っていることではあります。
少し前までの日本の好景気もまた、実需からはほど遠いこのアメリカの幻想に乗っかって、拡大路線をとってしまった。そのツケの大きさに驚くばかりです。
そして、もっと大きな衝撃は、日本の国家が600兆円ともいわれる負債を抱えて破綻寸前なのに比較して、アメリカはさらに大きな負債を抱え(1000兆円?)、既に経済学的には国が破綻している状況だと聞くと、果たしてこれからの世界はどうなってしまうのか? と考えざるをえませんね。
こういう深刻な映像を紹介する町山氏は、しかし終始一貫笑顔。
もう笑っちゃうしかないのか? この笑顔で支えられたシリアスなコミック性は、人間に残された最後の知の対抗策なのかもしれないなどと思ってしまったのですが‥。