立川談春さん著「赤めだか」を読む | 考える道具を考える

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1月2日、NHKの深夜0時より5時間に亙って放映された「今日はまるごと談志の日」を観た。朝の5時まで。

この番組はBSで放映された10時間に亙る談志さんの番組を5時間に短縮しての再放送だった。

このナレーションをしていたのが談春さんだ。(明日のTBS情熱大陸で特集される予定‥楽しみ)

そして2008年度の講談社エッセイ賞を受賞し話題を呼んだのが、談春さんが書いた「赤めだか」(扶桑社 2008年4月初版刊)だ。立川談志さんのもとに弟子に入り、前座と呼ばれる修行時代のことを描いたのがこのエッセイ集で、噺家の世界の修行時代の体験が実に目に浮かぶように描かれている。

特に、談志さんの弟子である。
天才の名を欲しいままにし、またその発言で様々な物議を起し続けている談志さんの厳しいが実に優しい指導の模様が、弟子の眼線からスケッチされている。

   ‥‥いいか、落語を語るのに必要なのは、リズムとメロディだ。それが基本だ。

最初の言葉の書き写しの中にあった言葉でした。

偏屈の談志さんが、実は弟子の指導は実に懇切丁寧で、優しいというのも有名な話。最初は、モノマネ。話を覚え、真似をしていくことを教える。高座に上がってからの座り方、お辞儀の仕方、体を起した後の視線の置き方、座布団と扇子の置く位置と、その意味‥‥。

うーん、自分が弟子になった気分で、談志さんの教えを受けている気分になる名文で綴られるのが、本エッセイですね。

立川流の志の輔さん、志らくさんが大好きな私は、改めて談春さんの書き言葉の中に、落語の楽しさを学んだのでした。NHKに出ていた談志さんの本質は、「伝統を現代に生かす」だったでしょうか? 落語の御話の世界を現代的に解釈し、その場の雰囲気、空気を読んで一回きりの話をする。

変化を恐れない立川流の落語を、今年も楽しんでいきたいと思います。
談春さんありがとう。