立川談志 やかんを演じる舞台でのお客様叱り飛ばしのシーン | 考える道具を考える

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談志ベスト
立川談志さんのCD版「立川談志プレミアムベスト」(竹書房刊)を聴いている。

このシリーズはライブ盤で、写真のCDには、平成14年に函館市民会館で演じた古典「やかん」が収録されている。
このライブ、世に言う談志さんがお客を叱り飛ばした有名なシーンが収録されているのが面白い。

函館のお客様は、比較的野次を飛ばすのがお好きなようだ。枕を語っている最中に、恐らく「はやく古典をやれ!」といった野次が入った。
談志さんスカサズ、「てめぇ、帰れ!」と返した。「入場料返してやるから、早くけぇれ!」。凄い剣幕でしたね。

既成の権力に立ち向かい、自分が全てと言い放つ傲慢な態度を売り物にしている談志さんならではのシーンだが、お客様あっての噺家といった不遜な態度を唾棄した談志さんの姿勢に、私は共感しますね。エンタテイナーの落語家には、僅かな隙もあってはならない。

新しい落語の世界を創造しようとする談志さんが演じる古典は、極めて親切に江戸の時代背景や舞台についても解説してくれる。このやかんも、二階ぞめきも、円生や志ん生のような名人の流れるようでいて独自性のある語り口とは異質な、談志の世界があるのだといえるでしょう。

   ‥今や若い女性客で溢れる寄席の世界。
    落語の「落ち」のある話に期待するところ大なのだそうだ。

   ‥そういゃぁ、最近の政治も経済も、あるいは恋愛ですらも、
    話に気の利いた落ちがないのが事実のようで!
    これでは「落ち着かない」のも当り前ですがね‥‥。