NHKスペシャル 「戦場 心の傷(1)兵士はどう戦われさせられきたか」を観て | 考える道具を考える

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PTSD(心的外傷後ストレス障害)。
兵士とは、人を殺すために訓練された「人間」のことを言う。

どんなに遠隔からゲームのように大量殺戮したとしても、どんな理由があっても、人を殺すということが人間の心に傷を残さない筈がない。

昨夜のNHKスペシャルは、これまで何度も放映されてきた戦争の後遺症について、「殺人を合理的に受容できる人間の教育方法の改革」の視点から組まれた番組だった。訓練は、昨日まで普通の市民だった少年を殺人マシンに変換させる。しかし、戦場を体験し帰還した兵士が、日常に戻るトレーニングはまだまだ未開発なものだという指摘。

番組では、‥‥泥沼化する米軍のイラク駐留。激しい戦闘ストレスから前線を離脱する兵士が続出し、帰還兵たちはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症している。米軍は、最新の医学知識を総動員し、兵士の心のケアに追われている。戦場の兵士を襲う「殺される恐怖」と「人を殺す恐怖」。極限状況における人間心理を、国家はあらゆる角度から研究し、人間を戦闘マシンに近づける方法を模索してきた‥‥これが番組紹介の概要だ。

こうした心の傷を負った元兵士達の、その後の悲惨な状態を番組は執拗に追っていく。この病が初めて精神障害と認定されたベトナム戦争の時代に遡り、一人の兵士のその後のインタビューも取り入れていた。(彼はインタビュー収録の後自殺したという)実に残酷な場面、人を殺戮した人間の心の傾斜が描かれていた。

そういえば、1998年に放映された最初の湾岸戦争での番組のことも思い出した。
 ‥‥湾岸戦争帰還兵70万人のうち、およそ10万人もの兵士が深刻な病気におそわれ、さらに彼らの子どもたちが障害を持って生まれるケースが多く見受けられるようになった。そうした子どもたちは「GULFWAR BABY(湾岸戦争の子どもたち)」と呼ばれている。

1998年に放送されたNHK日曜スペシャル「GULFWAR BABY ~湾岸戦争の後遺症に悩むアメリカ~」の解説である。ほとんど、同じことが繰り替えされている。一体、こうした兵士達は、どうなるのだろうか?

番組を見ていて‥この40年近くの間に行われた戦争の悲しみ‥‥ただただ‥悲しみだけが私の心に留まったままだ。今日も後編が放映される。若い母親の兵士の帰還後の悲しみが放映される筈。