映画の封切りが間近になると、
最近は映画のプロバカンダのためか、
監督や制作スタッフの奮闘振りがテレビで紹介されるケースが目立っている。
新聞でいうパブリシティのテレビ版とでもいうのだろうか?
ぽにょ‥に関連して、民放にもNHKにも登場した宮崎駿監督。
作品創造のプロセスでの苦悩の様子がドキュメンタリータッチで相次いで放映された。
とはいえ、あくまでもパブリシティ。
ナリフリ構わずにお笑い番組にまで参画した三谷幸喜さんとは違う質の番組ではありますね。
映像制作に関心を持つ人、アニメーションに関心を持つ人にとっては、
これはたまらない番組、価値ある番組でもあります。
ところでテレビが動画として動いているように見えるためには、
一秒間に24コマの静止画が連続している必要があります。
一分間の動画を制作するためには、その60倍ですから、1440枚の静止画が必要。
2時間のテレビ放映用の作品を作るには、172800枚が必要となる計算ですね。
テレビカメラで撮影する場合は、こんな枚数を考える必要はないのですが、
アニメになると、一枚ずつ描いていかなければなりませんね。
そして、自然な動きや表情の微妙な動きに拘って
「らしさ‥」を追究していくと、30万枚とか50万枚というようなセル画が必要になってきます。
その気の遠くなるようなワークの積み上げによって、
現実より現実的なイメージが表現されるというわけですね。
まさに格闘。しかし、実際の観客、視聴者は、そんな微妙な表情の変化に拘ってみてはいません。
流れていく映像に乗っかっていていくのがフツウですからね。
しかし、監督がなぜそこまで拘って、一枚ずつの絵を描いていくのか?
それは、実は視聴者の脳に中に、無意識のうちにインプットされるイメージが、
最も重要な創造行為だとわかっているからでしょう。
知らず知らずに宮崎アニメの世界に引き込まれるのは、
実は、表面的な印象として瞬間的に記憶に残る感動とは別次元の、
脳に直接埋め込まれる「らしさ‥」のイメージに人間の身体が打ち震えるからだといえるようです。
これが、理屈ではないファンの誕生の物語なのでしょう。
そして、それがどのように制作されているかを公開していく理由は、
ファンの「飽き」に刺激を与えるためといえるかもしれません。
とはいえ、一度脳にインプットされた衝撃の記憶は、
いつまでも衰えることはないようです。
‥それでいい。