音の想像力 ラジオドラマで感性を蘇らせる | 考える道具を考える

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The instrument which I think

ラジオドラマ、あるいはオーディオドラマ、放送劇などと呼ばれる劇空間がある。

テレビのない頃には、ラジオの前に座って、じっと音のドラマに聞き入っていた時代があった。声優たちの声、対話、生活の音、町の音、自然の音‥。それらの音から想像する世界は、自分の感性を研ぎ澄ませてくれたように思う。

今でもNHK第一ラジオでは、ラジオドラマの放送が続けられている。深夜に聞くその音の物語は、活字でドラマを読む想像の世界とは異なり、脳に響き渡るような幻想の世界を体験させてくれる。なかなか、良いですね。


昔の学校では、国語の時間に音のドラマの視聴時間があった。これは、当時の国語教師が自分の意志でやっていたのか、基本のカリキュラムになっていたのかは分からない。しかし、受験戦争が始まる初期のころに、音で聴くドラマに接することができたのは貴重な体験だったと、つくづく思う。大切なのは、感性なのだから。


今、都会の音は無機質で、心に響く音となって反響することはない。人の足音を聞くこともない。鳥はせいぜいカラスの鳴き声‥。都市化は、人の想像力を奪っていく。無関心にさせていく。心を置き去りにしていく。

だからこそ、今、ラジオドラマが求められるのかもしれませんね。

音だけで作られる物語の世界! そこではデジタル社会の極彩色の刺激にはない、優しい人の温かみが感じられる劇空間があるのです。

こころが疲れたら、是非、ラジオドラマの世界に、どうぞ!