篤姫 本当の愛の姿を見た | 考える道具を考える

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愛について書くのは、少々気恥ずかしい。

昨夜のNHK大河ドラマ 篤姫 を見て、あぁ、なるほどと合点がいきましたね。

紀州派と一ツ橋派との政争に明け暮れる幕末の徳川幕府。
篤姫は、斉彬の命を受けて一ツ橋派の慶喜を次期将軍に推挙すべく大奥に入った。
しかし、紀州派が推挙する慶福(のちの14代将軍家茂)の素質や性格を否定することができない。

自分の本音と政治的役割の中、自分の夫である13代将軍家定との間にも、自分の立場や父親からの密命達成への忠義心などで心は揺れる。

そんな中、家定の篤姫に対する寵愛の深さに接して、篤姫は初めて自分が薩摩の人間ではなく、徳川の人間であることに気づく。(これは現実的に、そうだったんだろうな‥と思わせる演出です)

そして家定は、次期将軍に篤姫の意とは反する紀州派の慶福を推すことを決意し、それを篤姫に伝える。それまでの長い伏線から考えて、将軍としての将来性、性格などの人物像から判断したものと思わせる台詞だったが‥意外にも、その理由は‥‥。

    ‥‥篤姫には時代の現状を読む力がある。未来へのユニークな発想がある。
      女性といえども、政治を支える新しい発想を持つ力が必要だ。
      末永く徳川の時代を支え続けるには、篤姫の卓抜した力が必要だ。
      慶福はまだ未熟で、自分なきあとの政局を取り仕切るには力が足りない。
      慶福が次期将軍になれば、篤姫の力を補佐役として活かせる。

      自分の命がそう長くはないと知っている家定が、考え抜いて決めたその判断には、
      本当に篤姫の「幸福」を願っての心が宿っていた‥‥といえるのかも知れない。

それまでの家定の台詞には、「本当に信ずるに足る人間はいない!」という言葉が繰り返されていた。この選択によって、家定は、篤姫こそ唯一の信ずる人であることを表現する。最高権力者の虚無から逃れられなかった家定自身の感謝の心‥‥それが、そっと背後から抱きしめる清潔なシーンに描かれている。

    ‥‥幸福のバトンタッチ!

実に、泣かせる演出でした。

ここまで、愛する相手のことを、考えたことがあるだろうか? ‥とわが身を振り返ってしまう演出でしたね。(少し格好良すぎるけれども‥‥)