トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツの2大スターの共演と、実在の政治家がモデルとなった映画「チャーリー・ウィリアムス ウォー」(監督 マイク・ニコルス、原作 ジョージ・クライル)を観た。
‥‥1980年代にアフガニスタンをソ連の脅威から救うために奮闘した米国人議員の実話を、
ユーモアを交えて映画化。製作を兼任したトム・ハンクスが、型破りでお気楽な主人公を熱演。
映画のリード文にはこう描いてあります。
そう、あのソビエトのアフガニスタン侵攻に対抗するアフガンの抵抗勢力に対する隠密な支援活動を画策した平凡なある政治家の実話を元に作られた物語。(おぉ、長い‥)
少しシニカルに、少しコミカルに、そして日常的なディベートに伏線をいっぱい込めたシナリオで展開されている映画ですね。全編トム・ハンクスの喋りで圧倒される映画でもあります。
内容の詳細は記述しませんが、この映画のポイントは、うだつの上がらないCIAの職員ガスト役で登場するフィリップ・シーモア・ホフマン(2005年『カポーティ』でアカデミー主演男優賞を受賞した)の渋い演技でしょう。多分、ホフマンは今後のハリウッド映画シーンに欠かせない脇役として、度々登場してくることになるでしょう。
それにしても、アメリカは当時、ソビエトのアフガン侵攻については余り高い関心を持っていなかった様子が良く描かれています。そしてアメリカの富裕層が政治を裏で操ることや、中東の国々が、何処がとこだかの区別もついていないなどの描写は笑えます。
CIAもまた、落ちこぼれのガストを担当にする程度だったことでも、当時の事実認識がよく描かれています。しかし、このハミダシCIAガストの現実的な交渉力は抜群で、アフガンからソビエトを撤退させる大きな役割を担った事実は隠せないものだったでしょう。デブで感受性がなく、知性のないガストがトム・ハンクスの政治的駆け引きを操っていたともいえるのでしょうね。
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ところで、私がとても気になったのが、CIA関係者の描写の部分で、喫煙のシーンが頻繁に撮られていたことでしょうか?
最近の映画で喫煙シーンが登場するのはとても珍しい。それを敢えて取り入れることによって、CIAへの皮肉が込められていたと解釈していいでしょうか? 今やアメリカでは、喫煙=悪 という図式が常識化しているのです。
さて映画では、現実にはこの時のアメリカの支援活動によって誕生した抵抗組織が、その後のアルカイーダの原型を作っていくという皮肉な事実も最後に描いています。
どうやら、この映画‥‥素直に笑って見ているだけでは許されない問題を、ディテールの描写の中にちりばめているようです。そんな見方をしても、でも、楽しめる映画ではあります。