小劇場の街‥下北沢。本多一夫さんの「渡辺晋賞」受賞で思うこと。 | 考える道具を考える

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本多劇場

東京・下北沢は小劇場の街。
その本拠地が本多劇場ですね。

そして、本多劇場グループの代表 本多一夫さんが、
今年の3月に第3回渡辺晋賞(主催/財団法人渡辺音楽文化フォーラム)を受賞して話題になりました。(この賞は、大衆文化の発展に貢献をしたエンタテインメント業界のプロデューサーに贈られるもの)

本多劇場の杮落としは、1982年、唐十郎さん作の「秘密の花園」でしたね。その後、下北沢は、1980年代以降の小劇場、小劇団ブームの拠点として演劇の街に変化していった。その貢献者が本多一夫さんですね。本多劇場は300席前後、周辺の「ザ・スズナリ」などは100席前後だったと思いますが、殆ど客席と舞台の境もなく、新しい演劇に挑戦する新進の役者と観客が一体となった劇空間は、魅力的です。

そして、昨年は、高齢化社会を反映して? 劇場「楽園」が誕生し、いろいろな年代の人々が集まれる重層的な演劇の街に立体化していますね。

‥‥

大衆演劇隆盛の時代に、こうした小劇場の街が確立されているのは、大変良いことだと思いますね。芝居の世界が好きで、芝居に打ち込んでいる若者達は依然として多い。しかし、それだけで「食べていける」ことは極めてマレで、ほとんどの人はアルバイトをしながら芝居に打ち込んでいる‥‥この構図は、1980年も今もあまり変化はないようです。

私も劇団に関わった経験があり、この世界は一度入るととても魅力的で、抜けられなくなる世界でありますね。多分、商業的には採算どがえしの実業だと推測できますが、実験的な新しい表現へ試みは、基本的に舞台がなくては出来ないものですから、小劇場の街として、今後も継続していくことを願ってやみません。

ちなみに、ザ・スズナリでは、加藤一浩作、柄本 明演出の劇団東京乾電池の舞台「コーヒー入門」が上演されています。この街が最も似合う役者・演出家 柄本 明さんは、今も下北沢で舞台を続けているのですね。とても嬉しいことです。