情熱大陸 薬師寺展のデザイナー木下史青さんの光の試行錯誤を見て考える | 考える道具を考える

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月光菩薩

東京国立博物館で展示デザイナーをする
木下史青さんの活躍を描くTBSテレビ番組「情熱大陸」を見た。

同博物館では3月25日から「国宝・薬師寺展」が開催されている。
薬師寺といえば、中央に薬師如来が鎮座し、
向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩の立位像が配置された三尊像として有名ですね。
平成10年には、薬師寺全体が世界遺産に認定されました。

この文字通り、門外不出であった
日光、月光菩薩立像が、東京上野の東京国立博物館で特別展示されているのです。
(見所は、光背を取り除かれた菩薩立像の流線型の背中の美しさを見ることができることだそうです)

‥‥

情熱大陸の番組では、
博物館の専任展示デザイナー木下さんの
薬師寺展開催までの試行錯誤の模様が放映されていました。

特に、私が興味を持ったのは、
仏像にどのような光を当てるのか? という一点でしたね。

仏様は、ある意味見る人間の心によって、
笑っているようでも、泣いているようでも、微笑んでいるようでも、怒っているようでも‥
どんな風にでも見えます。

だから、人が仏像に対峙した時の仏様は、
それがあるがままの自然の光の中に置かれるのが普通です。

それを「光によって演出する」という試みは、
極めて危険な冒険だといえなくもありません。
ある意味、その光を何故当てなければならないのか?
その意図が厳しく問われてしまうからです。

しかし、特別展であるからこそ、
そうした博物館という空間の中に、
現代の感性による光の演出があってもいいと、私は思います。

その1300年に及ぶ仏教美術の粋を見る時、
自分自身に生まれる「問い」は、自分の中から出てくるものだからですね。

照明によるデザインの世界を堪能する。
博物館に足を運ぶのに、デザインの意図を読むという、
もう一つの楽しみが増えたといえるでしょうか。