若くして、あっという間に「この世」から逝ってしまった哲学者池田晶子さんの講演集「人生のほんとう」を再読している。難解な哲学書ではない。
いつも煙に巻かれたような言葉を読むことが多い
池田さんの著作物としては、読みやすい一冊だ。
2006年に初版が出版され、さっそく読んだ時、
緑のマーカーを引いたこんな言葉に、私自身まだ引きづられている。
正しく語られた言葉は、必ず伝わる。
十分に伝わるんです。
何を伝えるかというと、‥‥
言葉では何も伝えられない、ということを伝えているんです。
‥‥逆説的ですが、言葉は沈黙を伝えると言ってもいいです。
いかがですか?
この本の中では、池田さんは、宗教についても触れていますが、
特に、禅の考え方に共感していた著者が、
人生の「空」の意味を語っている部分にも、
私は何度もマーカーを引いています。
人間は、生まれることも、死ぬことも、
自分の意志で行うことはできない。
であれば、今、生きていることが、どのような意志で行われているといえるのか?
色即是空
こういう謎をかけられた私は、
「ない」ことが「ある」という認識の前で、
依然としてタジロイデいるのですね。
人生のほんとう‥‥これが、この著書の題名になっていることに、
不思議な感覚を持ちます。
確かに、新しい謎をかけられていると思っているのです。‥‥
ほんとうって、何?