もう11月。秋から冬へのこの季節。夕暮れが近づくのが急に早く感じられる。
この時期、昼と夜との境界線を跨ぐこのひと時が、一番好きだ。感情の落とし穴に入り込んでしまったような、ぼんやりとした「時間」。
ルネ・マグリッドの作品の中で、こんな感傷を刺激してくれるのが「光の帝国」のシリーズ。何が好きなのかはわからない。感じるだけだ。でも、いつもこの季節には、この空を見ていないと落ち着かない。
ベルギーの天才画家マグリッドは、数多くの空を描いた。そして、その美しい空の色を、現代の都市の中で見つけるのは難しい。
‥‥マグリッドの空は、いつも「昼」と「夜」の対立した概念でしか登場しない。それは、都市で感じる不条理。そこだけが、何故、夜を感じさせるのか? 別に、夜を描いているなどと、マグリッドは言っているわけではないのに。
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今月の一枚。さあ、早く家に帰って暖まりましょう。夢想の家に‥‥。