顧客満足から顧客感動へ!
この言葉は、マーケティングの世界に生きる人間にとっては、うんざりするほど聞かされた言葉になっている。(と私は思っている)
満足と感動の違いは何か? さっそく「天使と悪魔の辞典」を開いてみる。すると以下のように解説していた。
●天使の辞典●
〔1〕 顧客を感動させられるような質の高いサービスを提供すべきだとする考え方。
「顧客満足」が顧客の期待通りのサービスを目指すのに対して、
「顧客感動」は、顧客の期待以上のサービスを目指す。
★悪魔の辞典★
〔1〕 ウェイターが、客の2人っきりの会話に割り込んで、この料理が、いかに、
ややこしい名前の食材を使用し、ややこしい名前の産地から直輸入し、
ややこしい名前の調理法で作っているかを説明し始めること。
実に明解。(これはいつくかの解釈のうちの一つですが‥)
‥‥
実は、この感動という言葉を思い出したのは(繰り返すと、私は既にこの言葉に飽きていたのだが)、福田新首相の所信表明演説の中に「生産第一から消費者保護」への転換という言葉が登場してきたからですね。
安心安全‥最近はこんな言葉が官庁、自治体で大流行ですが、この消費者の生活の側面で「消費者保護」を生産性第一主義からの脱却のように表現されたことに、いいようのない違和感を感じてしまったのですね。
日本の企業の生産性の指標で見ると、製造における生産性は世界第一位。しかし、サービスの質では、下から何番目という位置にいるらしい。製品の質が高まっているはずなのに、消費者に対するサービスの質は極めて低いということらしい。(確かに、豚を牛として製造していた会社もあったけどね‥でも、ダンボールでなかっただけマシと思った人も多かった?)
で、顧客感動という言葉。つまり、今やサービス業の最前線では、単にお客様が満足しただけでは満足できず、期待以上のサービスをどのように提供するかで勝負しようとしているのだ。でも、誰が考えても、期待以上ということは、そもそもお客様が期待していなかったことだから、これを本当にやろうとしたら「大博打」の戦略になることは明白ですがね‥。
顧客が感動する‥のであって、顧客を感動させるのではない。
私は、感動の次は、感謝だと思うのですね。顧客感謝主義。つまり、生産する側の明確な主義主張が、顧客のマインドを高めるというもの。商品そのものより、商品をどのように創造したのかのストーリィに感激して顧客は商品を選択する。その心に感謝する。
消費者は自らのニーズに合致したものを選択するのではなく、ニーズを喚起してくれた商品を選ぶ。私は頑なに、こう信じているのです。
どうですか? この感謝‥‥という言葉は、松下幸之助さんの基本理念だったと思います。
アメリカ式の「新しさ幻想」に煽られるのではなく、ヨーロッパの小さな国の成熟した「モノと心」のあり方こそ、今、学ぶ時代になっているのではないかな?