大いに笑う 笑う 土屋賢二先生の「笑い」に付き合う | 考える道具を考える

考える道具を考える

The instrument which I think

土屋賢二さん
 どうでもいいのだが‥‥ムショウに疲れた時は、精力回復のドリンクを飲むことと、御茶ノ水女子大学の哲学教授 土屋賢二先生の「笑いの文庫本」シリーズを読むことにしている。

 既に殆どの出版物は持っているにも関わらず、先生のサインが入っているという書店のPOPに引き寄せられて(何と、サイン入りの文庫本は、ビニールで包まれているのだ。哲学書もビニ本の時代に入ったのか?)、またまた購入したのが、この写真のサイン入り文庫の一冊「われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う」(文春文庫)でした。

 この文庫は、1999年に初版が出て、2006年に9刷。ロングセラーだ。この文庫には、土屋先生を文壇にデビューさせた名作「私のギョーザをとって食べた人へ」が収録されている。

 レバニラ定食にプラスして注文されたギョーザの一切れが行方不明になったという事件を題材に、隣に座る紳士淑女風のご夫婦や、中華料理店の調理人の中国人に向けられる疑惑‥‥この事件を表ざたにするかしないか‥‥逡巡する悲しいオヤジの心理を描いている作品ですね。ギョーザの臭いが後になって口臭として出現するように、時がたつにつれて「笑い」がこみ上げてくるという名作? です。(笑)

 ‥‥

 それにしても、このサイン。私のために書かれたものではないにしても、なかなか感動しました。もっとお茶らけたサインかと予想していたのですが、実にしっかりとした文字だったのでした。先生自ら描いている、およそ幼稚なイラストとの違和感には、「笑い」の本質が隠されていると推測した次第です。

 疲れたら、まずはこの一冊、お勧めです。