何故か、多忙。
一度に多様なプロジェクトをこなしていくためには、自分の中に多くの「引き出し」をもたなければならない、と先人は言う。
超特急でプレゼンテーション資料を作成しなければならない時、最も忙しい人に委託するのがコラボレーションの極意だと教えてくれた人がいた。
忙しいと、まず結論、というか最終的な着地のイメージを描くことが大切だということがわかってくる。プロセスより、この話の結論は何なんだ‥というイメージが浮かんだら、一つのプロジェクトは終着に突き進む。
だからか‥人と話をする場合は、結論から話すようになっている。
‥‥
一日が終わると、時々立ち寄るバーがある。一杯のスコッチを飲んで、俺は何て忙しい男なんだろうと、今日一日の仕事を振り返る。今日は、いくつの「引き出し」を開けたのだろう?
何人の人と話をしたのだろう? 今日の話は、相手を十分満足させるものであったか?
そして、バーを後にして、真夏の暑い夜の街を歩いていて、ふと言葉がついて出る。
‥‥思考は現実化する。
ナポレオン・ヒルとかいう人物の言葉だ。自分が何をしたいのか‥それを必死で描き、具体化し、必ず実現するんだと「思う」ことは、現実に実現する‥そうなんだろうか?
そして、タクシーを呼びとめようとして、車のライトが眼に入った瞬間、私は閃いたのでした。実現させようとしている自分の夢は、もしかしたら、逆反射した光みたいなもの? つまり、思考を現実化しようとしている自分の姿は、自分の心のシルエットみたいなものか?
一体、私は、何処に向かって走っているのだろう?