レオナルド・ダ・ビンチ 天才の実像展を見て‥ | 考える道具を考える

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天才論
 東京・上野公園にある東京国立博物館で開催されている「レオナルド・ダ・ピンチ 天才の実像」展を見た。

 先週、この展覧会に寄せて刊行された脳科学者茂木健一郎さんの「天才論」でも紹介しましたが、ダビンチ初期の作品「受胎告知」の実物が、上野に来ているのです。

 本物の作品を見たときの衝撃は、やはり、大きなものでした。1974年、初めてダビンチのモナリザが日本にやって来た時は、偉大な作品の割に、その「小ささ」に驚いた記憶があります。受胎告知は、数少ないダビンチの完成作品として貴重であり、また、その大作は「大きさ」も十分でした。モナリザが展示された、まさに同じ場所に「受胎告知」が展示されているというのも、演出の一つなのでしょうね。

 空気遠近法‥などという聞き慣れない手法を完成させていく最初の作品でもあり、また、その後のダビンチの科学者としての視点を彷彿とさせる様々な問題意識の集積でもあるこの作品ですが、デイテールのリアリズムに隠された「謎」の解明に、興味津々というところでしょうか?

 第二会場に当たる「平成館」は、まさに物理学の学習展示の様相です。ここには、ダビンチの「何」があるのか、まあ、見るのが一番でしょう。

 そして私が一番関心を持ったのは、自然や人間の中にある「規則性」にダビンチが着目し、科学的に徹底解明しようとしたことでしょうか? 写真の有名な「ウィトルウィウス的人体図」も、人間の肉体にある規則性の解明のために描かれた作品であります。人間の顔は、身長の七倍ある‥などなど。

 そして自然界の中の規則性‥幾何学的思考のなんと言う楽しさ‥15世紀前後のダビンチの時代を、再び復興してみたいという衝動にかられるのは、私だけではないようです‥。中世復興‥きっと、流行するな‥これは。