NHK教育テレビ 劇場への招待で「ひばり」放映される | 考える道具を考える

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 今年の2月に渋谷ブンカムラシアターコクーンで上演された「ひばり」が、昨夜の教育テレビで録画上映されましたね。

 松たか子さんの独演に近い芝居で、蜷川幸雄さん演出の長時間に亘るジャンヌダルクに題材を得た芝居だ。益岡徹、橋本さとし、山崎一、壌晴彦、磯部勉、小島聖などなど、出演者も多彩。

 私は既に2月のブログでこの芝居については書いていますが、劇場で観る芝居と、録画された映像で見る芝居では、また違った演劇になっているのが印象的でした。

 松たか子さんのアップが多く、映像ではその細かい表情が良くわかり、劇場では見えなかったものが良く見えました。劇場での客席まで含んだ全体性を軸とした私のこの芝居に関する記憶に、新しい色が塗られていく感覚といえばいいでしょうか?

 演劇はテレビドラマとは異なりますね。だから、実際の劇場での観劇は、あくまでも全体性の視点から見ることになります。役者の表情の細かいところまで見えることはないので、テレビで録画された映像は、ある意味ディテールだけの連続といえると思います。

 それが良いか悪いかではなく、これはあくまでも、違うドラマであるということだけは確かなようです。

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 さて、私達の現実は、どうでしょうか? 日常の出来事の認識は、多様なディテールの連続だといえるのでしょう。それを見ている私は、ディテールを見ながら、全体性を想像することでしか、現実の全体性は見えないのですね。

 それにしても、ジャンヌダルクの裁判のシーンを、言葉のリングの上で戦わせているこの芝居の演出は、ある意味巨大なディテールの連続なのではないかと、そう思えるのです。場面はあくまでもリングの上。

 言葉のボクシングによって、時代背景や、様々な行動を彷彿とさせるシナリオ。しかし、松たか子さんは、可愛過ぎて、ジャンヌが持つ運命も、何か明るいものとしていたように見えました。

 でもね、テレビで放映するには、少し早すぎませんか?