3月18日からJR全線が全面禁煙となりました。
愛煙家の私としては、飛行機の全面禁煙措置の時と比べて、さらに大きなショックではありました。
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ところで、映画のシーンの中に、あるいはテレビ番組の中で、「喫煙」のシーンはほとんどなくなりました。先日まで放映されていた「華麗なる一族」では、大介さんの葉巻、永田大蔵大臣の葉巻が、権力の象徴として登場していました。同時に、鉄平さんの弟などは、ストレスの高い人物として、紙巻たばこをしきりに吸っていました。この番組は、原作が古いので、ある意味演出的に必要だったのでしょう。
煙草は、小説の名作の中にもたくさん登場してきます。いわば人の心理を描く場合に、とても便利な小道具であったわけです。そこでは、むしろ葉巻、パイプなどが主人公ですが、甘い煙が静かに立ち込める「時間」を表現していたのだと、私は確信しています。
時代が変わって、煙草は社会的悪として位置づけられ、今では歩きながらの喫煙も厳しく禁止されるようになりました。数年前、青山の裏道を歩いていたときには、前方から自転車でやってくる外人が、「チッ、スモーカー!」と叫んで私の傍を通りすぎていくという経験をしました。
文化的に無教養なとんでもないヤツだとでも言われたようで、一瞬ムカついたのですが、社会的に排除され始めた愛煙家の居場所は、もう自分の部屋しかないのだということを自覚させられた一瞬でもありました。
それから数年。JRの全面禁煙の実施となったわけです。
私は、この日からタバコをやめようと決意しました。そして、同時に、高級な柘植で出来たパイプを購入したのです。これからは、体に悪い紙巻煙草はやめて、心の健康にとても良いパイプの煙を、存分に楽しもうと思います。