バラエティ番組に素人が登場して、笑いのネタにするようになってからどのくらいの時間が経過したのだろうか?
素人映像投稿の番組や素人参加番組など、その番組構成は様々だ。
完全演出された番組づくりより、素人の日常のシーンのほうが笑いのネタになるのは、ドラマの楽しみとは異なった意外性と共感性を獲得しやすい社会現象とマッチングしているのでしょう。
1970年前後の出来事で考えると、当時の東京大学安田講堂封鎖解除の学生達と機動隊との熾烈な暴力シーンや、連合赤軍の浅間山荘篭城事件などは、テレビがほぼ一日連続して放映するというライブ感覚の生々しい映像の迫力が凄く、視聴率も80%を超えたと記憶している。
映像シーンの大きな変化の分岐点が、この時代にあったと思っていますね。
それはともかく、演出された番組より、現実のほうが面白いという現象は、テレビの番組づくりにも大きな影響を与えたことは事実ですね。
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そして、さんまのからくりテレビでは、ついに携帯メールの取扱方法に苦慮するオヤジが登場して、女子高校生に添削指導されるというシーンが登場しました。主に娘とのコミュニケーションに悩むオヤジが、携帯メールで娘とのコミュニケーションを実践するために、女子高校生たちの指導? を受けるシーンです。女子高校生の指導に素直に従っているオヤジたちの姿を見るにつけ、時代の変化を痛感せざるをえません。
大人と子供。情報の量や知識の量、人生経験の量と質の体験を蓄積することにより、生活や人間関係の知恵を獲得していく。これは基本的な成長の原理でしょう。
しかし、高度に発達した情報社会においては、次々に登場するメディアが、こうした構図を一瞬にして換えてしまうことがある。明らかに携帯文化は若者の特権であり、そのメディアの力が、人間の縦の関係の構図を換えていく、というシーンが、この番組に如実に現れていましたね。
そしてこういうシーンは、素人がそのまま番組に登場して、やってみせること以上に優れた演出はなく、今後ますます素人登場番組は活況を呈するのでしょう。
桜塚やっくんのギャグは、徹底した客席とのやりとりをベースとした即席芸で、芸人が自らの話芸で客席を笑わせる時代から、客席とのコラボレーションで笑いを演出していく新しい種類の芸風の登場と見ていいかもしれませんね。
そして、素人番組の中で登場するオヤジはとりあえず「笑われる対象」であるということだけは確かなようです。みんなITを勉強いたしましょう。