
「聞く技術」は、コミュニケーション力の停滞による現代的な課題を、何とか解決しようとする力作だ。
ナンシー・クラインは、イギリスのコンサルタント会社「タイム・トゥ・シンク」の社長で、この著作で紹介されているコミュニケーションメソッドを元に、企業のコンサルテーションをしている。
この著書は、「聞く技術」というタイトルになっていますが、書かれていることは、「聞く技術」を活用して、「自分で考える力をつかにつけていくか‥」という点が主要なテーマだ。そのために必要なのが、「考える環境」をつくること。
だから、考える環境づくりのためのメソッドとして、10の要素を挙げている。それは‥
1 意識を集中させる。
2 切れる質問
3 公平を期する
4 いい点を評価する
5 ゆとりある態度
6 味方になってほめる
7 感情を表す
8 必要な情報を与える
9 ふさわしい場所をつくる
10 多様性を認める
さて、これらの10の要素は、個々に完結している。言われてみれば、当たり前のような言葉がたくさん並んでいる。しかし、これらの要素が、「考える環境」を作っていく場合に、求められる結構大切な要素となっているのですね。
例えば、意識を集中させる‥ということで、ナンシーさんが言いたいことは、
‥‥ワンランク上の話の聞き方は、話し手の思考を活性化させる。話し手の思考の質は、聞き手の意識の集中度で決まる。‥‥
こんな感じですね。
「聞く」というメソッドの活用で、自分で考える習慣性を高めることが、結果的にコミュニケーションを活発にさせるという仮説ですが、運用の仕方を間違えると、逆効果になってしまうという危険性も潜んでいるようではあります。
ご一読をお勧めします。