「連想する力」 鍛錬法 | 考える道具を考える

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記憶
 さて、連想と記憶との関係については、勝俣 暎史先生(駒澤大学文学部教授 前 熊本大学教育学部教授)が発表している「記憶術ないし記憶技法」に関連する研究が優れています。

 連想する力をどのように養っていけばいいのか‥という疑問に、学術的に答えてくれる論文ですね。

 この中で勝俣先生は、「記憶術ないし記憶技法の背景にある基本的学習原理」として、Higbee (1977) の記憶術の技法の基本的考え方を整理しています。

 それは、「学習の原理に関する心理学者による研究成果の中で学習や記憶の基本的原理の重要なものとして,有意味化,組織化,連想,視覚化,注意,興味及びフィードバックの7項目を挙げ」として、特に、連想に関しては、

 ‥‥連想の原理は,すべての記憶術のシステムにおいて基本的な原理である.連鎖法では,項目と項目とが連想で結合される.場所法,かけくぎ法,音声システムにおいても,すでに記憶されている材料と学習したいと思う新しい材料とを連想で結合するものである‥‥

 としています。

 きっと、脳の中の記憶の中に、自然と格納されているだろうと仮説した記憶の断片は、明確な意図のもとに「記憶」として定着する行為をしないと、やはり、自動的には格納されない、もしくは、印象的な記憶として、いつでも表出しないことらしい。

 この連想に関連する「連鎖法」では、具体的な方法論も記述されています。

 1)連鎖法(連想結合法,リンク・システム the Link system or the Chain system)
 2)かけくぎ法(ペグ法 the peg system )
 3)音声変換法 phonetic translation system
 4)場所法 the loci system
 5)頭文字法acronyms, the first letter mnemonics
 6)SQ3R法ないしPQRST法
 7)キーワード式速読速解法

 この中で特に、キーワード式速読速解法は、文章を読んでいくための方法として、勝俣先生自らが開発した方法であり、とても役に立ちます。従って、少し長いのですが、引用させていただきます。


 ‥‥キーワード式速読速解法は,SQ3R法の簡便法として勝俣(1995)が改良した方法である.新聞や教科書などの長文の学習材料を速く,正確に理解するために考案された方法であり,次の4つの段階からなる.

 第1段階:見出しと前文(あれば)を読み,内容の概略を把握する段階であり,SQ3R 法のSurvey(概観段階)に相応する.見出しには,I,1,1)などの数字を付すと便利である.

 第2段階:本文のブロック(行替えから行替えまでのまとまった部分.段落)単位に番号をつける段階である.段落が変わるごとに,機械的に(1)(2)(3)...の記号を付すと便利である.また,ブロック内の重要事項については,・,・,・...などの丸付き数字を付すと便利である.

 第3段階:ブロックごとに1つのキーワードを探し,□で囲む段階である.キーワードはその「ブロックの見出し」と考えればよい.

 第4段階:□で囲まれたキーワードをつなぎながら要旨を把握する段階である.

 自作ノートを作りたい場合には,予め付してある数字とキーワードを書き抜くことによって,容易に整理が可能である. ‥‥

 いかがでしょうか? 長い引用で恐縮でした。勝俣先生のサイトは、駒澤大学のサイトの中にあり、連想する力を考えるのに大変有用な論文が掲載されています。連想する力の養成のためには、そこに一つの方法を駆使しないといけないということですね。